丘ボーダーも必見!ストリートカルチャーを垣間みる映画10傑

アメリカのストリートカルチャーに惹かれるのは、どこか反社会的で男らしいからだと思うのです。40も過ぎたオッサンが反社会的なものに憧れるというのはいかがなものかと思わなくもないけど、カッコイイもんはカッコイイ。そんなストリートカルチャーを描いた映画を集めてみました。ここでいうストリートカルチャーは具体的にはグラフィティ、スケボー、ヒップホップあたりのことです。サーフィン、スノボも隣接カルチャーではあるものの、ストリートではないので対象外ということで。

10位
BLANK GENERATION RICHARD HELL& THE VOIDOIDS


監督:ウーリー・ロメル
出演:リチャード・ヘル/ウーリー・ロメル/アンディ・ウォーホル

CBGBに行ったつもりになれる?!

んー、これがストリートカルチャーかと言われるとかなりビミョーですが、どうしてもパンクものもランクインさせたかったんです。映画的にもかなりビミョーで、どうにもなかなか物語に入っていけません。85分という短い映画なのに、レコーディングとかライブのリハのシーンが無駄に長い。かといってドキュメンタリー仕立てというわけではなく、中盤のパーティーのシーンあたりから物語もぶっ壊れていきます。

主人公を演じるのはリチャード・ヘル。パンクシーンでは伝説的な存在らしく、セックスピストルズ加入を断ったんだそうな。まあ、断っちゃったので結局セックスピストルズにはなれなかったわけです。正直全く知りませんでした。役どころも弱々しい青年でパンク臭がしません。フランス人彼女の方がブッ飛んでいてよっぽどパンクなわけです。

そんな本作の見どころはなんと行ってもCBGB。ストリートカルチャーを語るには外せない聖地!外観しか見たことなかったけど、ライブシーンが(過剰なくらいに)たくさんあって、へーこんな雰囲気だったのねって感じです。ま、見どころはそれくらいです。なもんで、10位なわけです。決してアンディ・ウォーホルが出ているという理由なんかで観ないように。

9位
ワサップ!


監督:ラリー・クラーク
出演:ジョナサン・ベラスケス/フランシスコ・ペドラサ/ミルトン・ベラスケス

妖怪が住むビバリーヒルズから脱出せよ!

昔、ビバリーヒルズ高校白書(以下ビバ白)ってドラマが流行りました。中流階級のウォルシュ家がビバリーヒルズの高級住宅街に引っ越してきて、大金持ちの生活にカルチャーショックを受けながらも溶け込んでいくというお話。ワサップ!はそのビバ白の格差をさらに広げた感じです。ビバ白のウォルシュ家は中流階級の白人だったわけだけど、ワサップ!の主役はゲットーからやってきたエルサルバドルやグアテマラのキッズ。格差がありすぎてカルチャーショックを受けるどころか、命の危険も迫ってくる始末。彼らにとってビバリーヒルズという街は地獄なわけです。

唯一主人公のジョナサンだけは地獄を満喫。なんでかわからないけどもうとにかくモテるんです。スラム街だろうとビバリーヒルズだろうとモテるヤツはモテると・・そういうことですかね。

XXLサイズのHIPHOPな黒人社会と、ピチピチサイズのパンクロックなヒスパニック社会の対立関係も見どころ。黒人が虐げられている映画はよく見るけど、ヒスパニックの立ち位置もしんどいですね。アジア系はどうなんでしょうか。

8位
パラノイドパーク


監督:ガス・ヴァン・サント
出演:ゲイブ・ネヴァンス/テイラー・モンセン/ジェイク・ミラー

ガラスの10代・・の危うさと脆さ。

ストリートカルチャーは、抑圧だとか差別だとか不自由さの中で生まれたカルチャーだと思います。制約のある中での表現手段がストリートカルチャーになったんじゃないかと思います。だからこそストリートカルチャーは社会に反抗的であり、時に過激で危険だったりします。しかしながら、この映画が描く出来事はストリートカルチャーが過激だから起こってしまったことではありません。過激だからというよりは思春期特有の危うさがちょっとしたボタンのかけ違いによって引き起こしてしまった物語だと思います。

スケボー少年の物語なので、スケボーのカッチョイイシーンがたくさん出てきますが、いかんせん貨物列車の死亡事故がどよーんとのしかかってくるので、いわゆるスケボー映画と思って観ると痛い目に合うかも・・・。映像はサレオツですが、やっぱり貨物列車のシーンが重すぎて楽しめません・・・。

重いです。暗いです。爽快感は全く無いです。

でも、夜遊びしたり、ちょっと悪い先輩と遊んだりし始める10代の少年って、案外みんなこういう危険と隣り合わせなんじゃないかな。思わぬところで人を傷つけたり、傷ついちゃったり。毎日笑顔で楽しいだけが10代じゃない。いわばガラスの10代的な映画です!

7位
ビューティフル・ルーザーズ


監督:アーロン・ローズ
出演:トーマス・キャンベル/マイク・ミルズ/ハーモニー・コリン

Lower East Side発のストリートカルチャー炸裂!

アメリカのストリート・カルチャーに憧れる日本の少年にとって「ロウアー・イースト・サイド(LES)」という響きは、キリスト教徒にとってのエルサレムかバチカンかってくらいの聖地を意味しますね。僕も学生時代にハードコアをよく聴いていたので、おっかなそうだけど一度は行ってみたい憧れの場所でした。まあ、でもどこにあるのかさっぱり分かってなかったけど、ニューヨークのマンハッタンの一地区のようですね。

昔から労働者階級が住んでいた場所なので、ストリートカルチャーが熟成するにはうってつけなわけです。このビューティフル・ルーザーズはその聖地LESでギャラリー「ALLEGED GALLERY」を設立したアーロン・ローズが監督をしているドキュメンタリーです。作品の中で誰か(誰だったかは忘れました)が言ってたけど、ストリートカルチャーの担い手は恵まれない環境で育った人達なのです。恵まれていたら何かを創って自分自身を救う必要は無いのだと。そういう反抗の象徴であるからこそストリート・カルチャーは人を惹き付けるんだろうと思います。

ハードコアもそうだけど、ストリートカルチャーがメジャーになると昔からのファンが離れていくというのは、大金を手にしたことに対する嫉妬もあるんだろうけど、満たされたことによってアーティストが創り出すものに反骨心が無くなってしまうからじゃないかな。

WikiによればLESも2000年代半ばから急速に高級化が進んだらしい。それ自体は良いことかもしれないけど、ストリートカルチャーの名産地では無くなっちゃうのかもしれないですね。

6位
バンクシー・ダズ・ニューヨーク


監督:クリス・モーカーベル

ストリート・アートはストリートにあるからアートなの。

バンクシーとニューヨーク・・・もう、それだけでカッコ良いじゃないですか。イギリスの覆面グラフィティアーティストのバンクシーがニューヨークで仕掛けたイベントを追っかけたドキュメンタリー映画。グラフィティの本場ニューヨークであのバンクシーが!みたいな興奮とともに映画館へ。

バンクシーはこのイベントで何をしたかったのかな?ニューヨーカー達の反応がバンクシーの想定の範囲内だったのであれば、バンクシーはニューヨークをバカにしたかったのかな?と勘ぐってしまいます。バンクシーを利用して金儲けしようとする人達が醜く見えるけど、需要があるんだから仕方ないですね。僕だって60ドルで買った絵を25万ドルで売ってくれと言われれば即決で売ります。 ブラッド・ピット、アンジェリーナ・ジョリー夫妻はバンクシーの作品を100万ドルで買ったとか。それに比べれば、バンクシー作品の写真を撮りたけりゃ5ドル払えという地元のチンピラはまだカワイイもんです。

でもね、ストリート・アートはストリートの壁に書いてあるから価値があるんじゃないですかね。