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本の感想

ダ・ヴィンチ・コード最終解読

「ダ・ヴィンチ・コード最終解読」の感想

と学会の皆神龍太郎という人が書いた「ダ・ヴィンチ・コード最終解読」を読んだ。ベストセラーのダ・ヴィンチ・コードがどんだけ嘘っぱちな作品であるかということを書いた本。
僕はダ・ヴィンチコードはストーリーも楽しかったし、事実とされているところについても、もしこういう組織やお話が本当にあったらすごいなあと楽しめた。大抵の読者はそんな感じだと思うけど、この本はそんなダ・ヴィンチコードを片っ端から「嘘」と切り捨てていく。問題はダ・ヴィンチコードがいくつかの組織や歴史をはっきりと「事実」と断定しちゃってるってところだ。だからこのと学会メンバーが大騒ぎしちゃってるわけだ。
で、読んでみると確かにダ・ヴィンチコードは真実じゃない事柄の上に成り立ってるらしい。でも、それが分かったところで、だから何?って感じだな。もともと信じてるわけじゃないし。もしこんなことがあればすごいなあってだけだ。
ちょっと話がそれるけど、そもそも僕はUFOとか幽霊とかの世の中の超常現象を頭ごなしに全否定する人が大嫌い。松尾貴史とか。そりゃ僕だってその辺のたぐいは信じてるとはっきりは言えないけど、奴らの全否定もちょっと科学的じゃないと思う。よーく話を聞いてると、自分が見たり聞いたりして理解できるもの以外は全て「ありえない」で片付けてる。まあ幽霊やUFOが「いる!」って断言するのは相当ヤバイが、冷静に考えれば「現代の科学ではなんとも分かりません」っていうのが妥当だと思う。
このダ・ヴィンチコード最終解説もそういう頭ごなし全否定を感じたのがちょっと嫌だったなあ。しかもミステリーを否定するならとことん具体的にいくべきだと思うんだけど、「かなりの数」とか「こう考えるのが自然じゃないか?」みたいな抽象的な表現が多いのも、説得力を欠いている一因かなあ。
でも面白かったのは、ダ・ヴィンチコードの謎の根幹にもなったある一つの作り話が、どんどん大きく広がっていって、まるで神話のようにになっていく過程。しまいには作り話を考えた張本人の意思では全くコントロールできなくなって、まるで作り話そのものが人格を持っているように、肉付けされていくわけ。作った本人が「嘘でした」って言っても「そんなわけない!」って否定されちゃう。
一度でいいからそんな大嘘ついてみたいねえ。
ちなみに「天使と悪魔」もかなりのとんでも本だということです。

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