カテゴリー
映画の感想

ルル・オン・ザ・ブリッジ

2006年10月8日。映画ルル・オン・ザ・ブリッジの感想

ルル・オン・ザ・ブリッジを見た。
なんともジャンル分けが難しい映画で基本恋愛映画なんだけど、SFとかサスペンスとかファンタジーみたいな要素も入ってる。
かなりぶっ飛んだストーリーで見終わった直後は意味不明であっけにとられるけど、しばらく色々考えてるうちにああ面白かったんだと思える不思議な作品。
以下ネタバレ注意。
映画の解釈を見た人に委ねてるんだと思うけど、多分あれはハーヴェイ・カイテル扮するサックス奏者イジーが死の間際で見た夢ということで良いはず。で、たまたま死の瞬間に側を歩いてた若い女優シリアとの恋愛や昔別れた奥さんが夢に出てきたんじゃないのかな。何故シリアだったのかは、たまたま死の瞬間に側を歩いてたからか、ライブの直前に写真を見ていたからなのかは分からないけど、とりあえず若い女性だったら誰でも良かったんじゃないかな?博士とのやりとりで音楽以外に興味があるのは女の体って言ってるし。
とにかくあの世に旅立つ前にやり残したことを一気に夢見たんだろう。あの不思議な石は幼い頃の蛍の記憶の象徴かな??
あの石を素直に返せばもしかしたら夢の続きを見れたのかもしれない。ただ、一度手にした貴重なもの(石)を手放したくなくなる人間のどうしようもない性で、どう頑張ってもイジーは石を返せないのが決まっていたのかも。最初は持ち主に返さなくてはって言ってたのに・・・
見終わってからこんなにあれこれ考える映画って珍しい。全体的にコントラストが効いていて、まるで色付きのモノクロ映画(矛盾してるけど)みたいな映像とシーン一つずつをブツ切りにしたような作りは、今にして思えば「夢」っぽく描いていたのかなあって思う。
そういうことを全部ひっくるめるとラストシーンはやっぱり泣ける。じわじわ効いてくる名作。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です