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本の感想

アフターダーク

村上春樹著「アフターダーク」を読んだ。
村上春樹作品は高校の課題図書でノルウェイの森を読んで以来。当時の僕が青かったせいかノルウェイの森は単なるエロ小説としか思えずに、他には特に感じるものもなかった。
なもんで今まで村上春樹の本は読まなかったんだけど、世の中にはハルキストとよばれる熱狂的なファンがいっぱいいるそうだから、ノルウェイの森を読んだ時の倍の年齢になった今、村上春樹に再挑戦しようかと。
というか本当のところは単に会社の人が貸してくれただけなんだけども。
で読んでみたけども、一言で言えば意味不明でした。いや書いてあることは別に難しくないんだけど、読み終わった後に・・・それが何か?って感じなんだよね。
物語が展開していきそうな伏線は山ほど出てくるのに、何一つ展開せずに終わる。
登場人物も全くと言っていいほどキャラがたってない。無色透明無味無臭な人間がしゃべってるだけ。
あと読者の視点?というものがあったのも最後までなじめずに気持ち悪かった。
登場人物を見つめている視点としての「我々」っていうのが出てくるの。意味分かりますか?分からないでしょ。だって書いてる僕も全然分かんないもの。
ここから何か感じなさいっていうのはちょっと乱暴なんじゃないかな?何を感じるかは読者次第ってよく言うけど、あまりにも放置しすぎでしょ。
とりあえずスゲーつまらなかったです。これを面白い!っていう人の意見が聞きたい。この本の良さを誰か教えてください。村上春樹の本ってみんなこんな感じなんでしょうか?

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思ったこと

本当の亀田伝説の始まり

昨日の亀田大毅の試合は8Rから会社のテレビで音を消して見てました。
11Rに入る前に亀田親父が大毅になにやら囁きました。
リング上でヒソヒソ話なんて良からぬ密談に決まってます。
音を消してテレビを見ていた僕は
「内藤は次倒れるから。そういう契約になってるから」
こう言ってるんじゃないかと勘ぐりました。
実際は
「倒さな勝たれへん、わかってるやろ。キンタマ打ってもええから」
と言ったとか言わなかったとか。
しかも兄者は
「ヒジでもええから、目ぇ入れろ」
と指示してたそうな。
TBSが必死にヒーローに祭り上げようとした新たなる希望は完全にダークサイドに落ちました。
スポーツ新聞やテレビで散々叩かれまくってますが、僕はね、亀田一家にとってはこれで良かったんじゃないかと思いますよ。
今までは無理矢理TBSがスポ根ヒーローにしようとして、興毅なんかは疑惑の判定でチャンピオンになっちゃった。つまり世間的にはインチキのヒーローだったわけ。この「インチキ」ってところが世間の反感を買って嫌われちゃったわけだけども、今度は「ホンモノ」の悪者ですから。
ルーク・スカイウォーカーになりたかったけど、アナキンになっちゃったわけだ。これからはひたすらダースベイダーの道を歩めば良いじゃないですか。
ダースベイダーはルークよりも全然人気あるからね。やっぱインチキのヒーローよりホンモノの悪者でしょ。
そういう意味で試合後にチャンピオンと握手することもなく会場を立ち去ったのは100点満点です。
できれば
「おぼえていやがれ!!」
ぐらいのお決まりの捨てゼリフが欲しかったくらいです。
切腹は?とか突っ込まれたって
「んなこと言ってねーわ。お前の聞き間違いじゃヴォケ!」
の一言で片付けちゃえば良いです。
悪者なんだから理屈とか筋が通ってる必要も一切ないし。
言いたいこと言うだけ言って、責任なんかとりません。
それで良いです。マジで。
亀田物語第2章とか言ってフジテレビに鞍替えするのもありかもしれない。
これからもダークサイドの総本山亀田家に正義のジェダイボクサーが立ち向かうっていう図式で盛り上がると思いますよ。
亀田一家は終わったなんて声も聞かれますが何を寝ぼけてるのかと。
これからますます亀田三兄弟+親父から目が離せません!!
僕は昨日の試合で亀田一家がちょっとだけ好きになりました。

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本の感想

ボロボロになった人へ

リリー・フランキー初の短編小説集「ボロボロになった人へ」を読んだ。
リリー・フランキーの文章と聞いてまず思い浮かぶのは一世を風靡した「東京タワー オカンとボクと、時々、オトン」。あとはエッセイ(とりわけエロいやつ)?
東京タワーは悶絶号泣クラスに感動したけど小説といってもほとんど自伝だったから、本当の意味での小説はどうなんだろ??ってやや不安ほぼ期待で買ってみた。
読んでみるとリリー・フランキー節炸裂。笑えてエロくてちょっと傷負ってて。
ブッ飛んだ設定のお話もあったりして、星新一のSFショートショートに通じるものもあるかも。
小説っていうよりギャグみたいな感じ。
それでもさすがにリリーさんだけあって、結構考えさせられるとこもあり。
法律や倫理といった社会の常識を茶化しつつも、自分の本質を見失うまいとして生きる人達を描いてる。
だからゲラゲラ笑った後に、ふと考えさせられる。
当たり前だと思ってる社会常識は本当は重要じゃなことじゃないんだよと。大麻栽培、売春、死刑制度、戦争・・色んなタブーに挑んでる。もっとも挑んでるっていっても、そこはリリー・フランキーですから。クスクス笑いながら竹やり持ってぶらぶら歩いてく感じです。
本当に大事なのはもがいてる自分なんだと。世間体とか社会とか色んなフィルターで自分自身でも分からなくなっちゃってる本当の自分に素直になろうよと。そうおっしゃってるんじゃないですかね、リリーさんは。クスクス笑いながら。

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本の感想

グラスホッパー

大人気の伊坂幸太郎。ラッシュライフに続いてグラスホッパーを読んでみました。
殺された妻の復讐に燃える主人公、ナイフ使いの殺し屋、自殺屋の3人の視点で物語が進む。主人公以外は完全な裏の世界の人間。主人公も復讐のために裏の世界に潜り込む。この3人以外にも脇を固めるのが押し屋、毒殺専門の殺し屋等々悪人ばっかり。
それでも物語をしばらく読んでいくとそんな異常な世界にもすっかり慣れて、それぞれのキャラクターに感情移入できるようになる。僕はナイフの殺し屋「蝉」が気に入ったな。
打算とかかけひきとか全くなし。後先も考えずに突っ走る。純粋と言えば純粋。ただしやってることは殺人なんだけども。自分がやってることが正しいのか間違ってるのかなんて迷わずに突き進むのはカッコいいね。
僕なんてサラリーマンやってるだけなのに迷いっ放しだ。迷ってないで突き進んでみれば良いってことは分かってるのに。
伊坂作品を読んだのはラッシュライフに続いて2作目だけど、ラッシュライフ同様に続きが気になるテンポが良い展開とトリックはさすが。やっぱり細かいディティールは突っ込みどころが満載だけど、そんなの気にならないくらい面白い。しばらくは伊坂幸太郎作品にはまってみよう。

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思ったこと

それって褒めてるの?

3連休最終日の今日は幕張のアウトレットに行った。
僕ら夫婦はこういうところに来ると、お互いに行きたい店が違うので別々に買い物しますが、世の夫婦やカップルは一緒に買い物してる人達が多いですね。
お互いの選んだ服について似合ってるとかいけてないとかピーコさんばりにコメントをつけます。
今日は大学生くらいのカップルが仲睦まじく服を物色してまして。
男のコがちょっと奇抜なグレーのジャケットをおもむろに羽織りました。
女のコはそのジャケット(を着ている彼氏)が大変気に入ったご様子。
「スゴイイイ、似合ってる。カワイイー」
そうです。最近はgoodを日本語に翻訳すると「カワイイ」になるんじゃないかと思うくらい、なんでもかんでもカワイイわけです。
ま、そんなことはどうでも良いんだけど、その後に続いた一言が強烈で。
「カワイイ、カワイイ。ヨン様みたい」
・・・ヨン様。
それって褒めてるんですか?
僕ならその一言でジャケットを買うのを断念しますが、その男のコはレジへ向かいました。
そうか。ヨン様まだいけてるのか。

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本の感想

水曜の朝、午前三時

蓮見圭一著「水曜の朝、午前三時」を読んだ。会社の先輩が「間違って」貸してくれた本だ。どう間違ったかというと、この本を借りた時に
「日韓ワールドカップのからくりが絡む物語だからサッカー好きの君向きの本だ」
って言われたのね。
で、読んでみると年代設定が1970年前後で、ワールドカップのワの字も出てこなくて、イベントと言えば大阪万博の話ばっかり。それでも途中で微妙に在日朝鮮人の話になってきたから、劇的に話が2002年に飛んで日韓W杯の話になるのかと思ったらちっともかすることなくあっけなく終わった。全くもって単純に先輩が貸した本を間違えただけだった・・・。
最初から最後まで出てくるはずのない日韓W杯のからくりを楽しみに待っていただけに、主人公の過去の秘密とか、ロマンスとか、もうどーでも良くて。
実際次第に明らかになっていく秘密というのも予想の域を出ない感じだったと思う。
全体の物語が主人公が娘に向けて書いた手紙によって語られるという手法も宮本輝の錦繍のパクリじゃねーかとか斜に構えちゃったしね。
いやそれもこれも先輩が僕にW杯をちらつかせたせいだと思う。
もっとフラットな状態で読みたかった・・・。
女性が読んだら結構面白いんだと思いますよ。無理矢理のフォローですが。
それにしても日韓ワールドカップのからくりとやらのお話は借りられるんだろうか。それとも最初っからそんな本ないんだろうか。