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本の感想

P2

ルイス・ミゲル・ローシャ著「P2」の感想

秋に京都に遊びに来たEから借りたサスペンス系の小説。
舞台がバチカンだったので、年末年始にローマに旅行する前に読んでみました。
ダン・ブラウンの天使と悪魔をちょっと安っぽくしたような感じなんだけど、かなり史実に忠実に作られているらしく、旅行前の勉強としては凄く良かった。
まず1978年に在位期間わずか33日で亡くなったローマ法王がいたということに驚きました。かなり短い在位期間が故に、このヨハネ・パウロ一世の死については当然様々な陰謀説がうずまくわけで、「P2」のような小説が誕生するのもうなずける。
33日という数字は、キリストが亡くなった年齢(33歳)と一致することもまたドラマを感じさせてしまう。
と、まあ素材はすごく良いと思うんだけど、ストーリーは荒削りだったなあ。謎の種明かしも、ふーん、ああそうですか、という程度。ロンドンとかリスボンとかヨーロッパ中を舞台にしているけど、伏線の全てがことごとく深みが無い。
バチカン、フリーメイソン、CIA・・・サスペンス小説にありがちな要素が盛り込まれ過ぎなんだと思う。
物語に深みをもたせるために、この小説が事実に基づいていると思わせる仕掛けが最後に待ってるけど、まあ単なる演出だろうなあ・・。
一応あとがきによれば、2018年9月29日にヨハネ・パウロ一世の死に関する証拠文書が公開されることになってるらしい。
そんなに待てないから、ウィキリークスで公開されないかな?

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