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本の感想

やぶさか対談

東海林さだお・椎名誠著「やぶさか対談」の感想

学生時代に、友人が東海林さだおのエッセイはとても面白いと薦めてくれたんだけど、いまだに1冊も読んだことがないのに気がついて対談集を読んでみました。
東海林さだおはサラリーマン専科とか書いてる漫画家。対談相手は椎名誠。
二人の対談だけじゃないくて、ほとんどの対談はゲストを迎えて3人で展開される。
ゲストは田嶋陽子、大江健三郎、ドクター・中松といった有名人から、秋葉原の実演販売人や無類のラーメン好きなど色んな生き方をしている人を迎える。
二人が凄いなと思うのは、どんなゲストが来てもその人に関連するテーマのお話で盛り上がれるってこと。もちろんゲストは二人が選んでいるから、そもそも二人が興味がある生き方をしている人なんだけど、それにしてもこんなに幅広い人達とよくもまあこんなに話を広げられるものだと感心する。
そして、こういう話が出来る人になりたいなと思う。
自分に関する話で、場を盛り上げることはまだできる。こないだこういう面白いことがあってかくかくしかじか、みたいな。
でも話し相手のテリトリーに入っていって話を盛り上げるのは相当難易度が高いと思う。
決して聞き上手なんていう営業マンのテクニック的な盛り上げ方ではない。
これはトークのテクニックじゃないと思う。二人の生き方が現れてる。色んなことに興味を持って深く知ろうとする、いくつになっても衰えること無い好奇心みたいなものが大切なんじゃないかな。
素敵な生き方。憧れる。
ちなみに僕が一番興味を持ったゲストは大江健三郎。もちろんノーベル文学賞を受賞した人ってことは知ってるけど、難しそうというだけで敬遠してた作家。この人の言葉に対する思慮深さみたいなものは半端じゃない。この対談に来るにあたって、「やぶさか」という言葉について1週間も考えて来たんだそうな。
そういう入れ込み具合に尊敬の念を抱くことはやぶさかでありません。

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