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映画の感想

かもめ食堂

毎年この時期になると年末年始の旅行の行き先を考える。今年の候補地はヘルシンキがノミネートされてる。
なんでヘルシンキかというとまず大前提としてヨーロッパというのがあって、冬のヨーロッパは寒いからできるだけ南のヨーロッパにするか極端に寒いところに行くかのどっちかだと。
それで去年はローマに行ったんだけど、今年は逆にスゲー寒いとこも良いかなってことで北欧の中でまだ行ったことがないヘルシンキが良いかなというぐらいのもんで、特別何が見たいとか、何をしたいとかっていう目的はない。だからどうにも決め手に欠けてる状態だ。せっかく高いお金を払って貴重な休みに行くんだからもうちょっと理由付けが欲しい。
ということでもう少しヘルシンキへのモチベーションを高める意味も込めて、オールヘルシンキロケで撮影された「かもめ食堂」を見た。かもめ食堂が面白ければヘルシンキに決定しようと。
この映画は小林聡美扮する主人公サチエがヘルシンキで営んでいるかもめ食堂を舞台にして、ほのぼのとしたちょっとしたドラマが展開されるというのがあらすじ。最初は全然お客さんが来なかったかもめ食堂がだんだんヘルシンキの人に受け入れられていくっていう大筋があるけど、その他には特にはっきりとした起承転結があるわけじゃない。イッタラとかマリメッコの北欧ならではの可愛らしいデザインに囲まれた、日本人3人(小林聡美、もたいまさこ、片桐はいり)の敬語でのやりとりが落ち着いた感じでいいわあ。
マーケットの風景とか港の雰囲気とかもすんごく良くて、こりゃー年末旅行はヘルシンキ当確って思ったけど、問題はかもめ食堂の中のヘルシンキは夏ってこと。確かに夏の北欧は最高だけど冬はどうかねえ。
ちなみに第二候補地はフィレンツェ(一応ヨーロッパの南ってことで)。「冷静と情熱の間」でも見てから最終決定しようかなあ。

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映画の感想

ルル・オン・ザ・ブリッジ

ルル・オン・ザ・ブリッジを見た。
なんともジャンル分けが難しい映画で基本恋愛映画なんだけど、SFとかサスペンスとかファンタジーみたいな要素も入ってる。
かなりぶっ飛んだストーリーで見終わった直後は意味不明であっけにとられるけど、しばらく色々考えてるうちにああ面白かったんだと思える不思議な作品。
以下ネタバレ注意。
映画の解釈を見た人に委ねてるんだと思うけど、多分あれはハーヴェイ・カイテル扮するサックス奏者イジーが死の間際で見た夢ということで良いはず。で、たまたま死の瞬間に側を歩いてた若い女優シリアとの恋愛や昔別れた奥さんが夢に出てきたんじゃないのかな。何故シリアだったのかは、たまたま死の瞬間に側を歩いてたからか、ライブの直前に写真を見ていたからなのかは分からないけど、とりあえず若い女性だったら誰でも良かったんじゃないかな?博士とのやりとりで音楽以外に興味があるのは女の体って言ってるし。
とにかくあの世に旅立つ前にやり残したことを一気に夢見たんだろう。あの不思議な石は幼い頃の蛍の記憶の象徴かな??
あの石を素直に返せばもしかしたら夢の続きを見れたのかもしれない。ただ、一度手にした貴重なもの(石)を手放したくなくなる人間のどうしようもない性で、どう頑張ってもイジーは石を返せないのが決まっていたのかも。最初は持ち主に返さなくてはって言ってたのに・・・
見終わってからこんなにあれこれ考える映画って珍しい。全体的にコントラストが効いていて、まるで色付きのモノクロ映画(矛盾してるけど)みたいな映像とシーン一つずつをブツ切りにしたような作りは、今にして思えば「夢」っぽく描いていたのかなあって思う。
そういうことを全部ひっくるめるとラストシーンはやっぱり泣ける。じわじわ効いてくる名作。

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映画の感想

Kinky Boots

おすぎと友達が大絶賛してたので久々に映画館に足を運んだ。
「キンキーブーツ」
実在する靴メーカー(Divine)をモデルにした映画で、4代続いた紳士靴メーカーの社長が会社の経営危機をきっかけに、ドラッグクイーン向けのセクシーブーツ作りを手がけるお話。
もうとにかく笑いっぱなし。笑って笑って涙が出たと思ったらときどきホロリとさせるシーンがあってちょっと泣けたり。まあ僕の涙腺が緩んでるとも言えるけど、笑えて感動できてホントに良い映画だった。中でも職人達のモノ作りに対する情熱には心を打たれた。作るものが紳士靴からキンキーブーツに替わっても最高の靴を作るという目標がぶれないところがかっこいい。やっぱ職人さん憧れるわ。
久々に映画館行ったけど、やっぱり映画館いいね。映画に集中出来るから。ちなみに前回映画館に行ったのはスターウォーズエピソード3だった。1年以上前だ・・・。

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映画の感想

ハウルの動く城

今日は人の集まりが悪くてサッカー中止。
録画してあったハウルの動く城をようやく見た。
正直言ってストーリーは今までの宮崎アニメと比べると、少し複雑で分かりづらい感が否めない。原作が宮崎駿じゃなくてイギリスのファンタジー小説っていうことがあるからかも。
でも、キャラクターの可愛らしさや主人公や悪役を含めたキャラクターの愛すべき人間性は健在。あとはなんと言っても宮崎アニメの世界観が最高。
ほとんどの宮崎アニメに共通してると思うけど、中世ヨーロッパのような街並と産業革命あたりの科学技術レベルに魔法やもののけみたいなおとぎ話的なエッセンス。
この発達しすぎてない科学技術と人間が解明しきれない神秘的なもののバランスがすごく心地良いんだよね。
多分現代の世の中は宮崎ワールドよりも不必要に科学が進歩して神秘的な部分がどんどん解明されちゃって無味乾燥な世界になっちゃってるんだろうな。完璧じゃなくて、ちょっと不便だから楽しいってことが必ずあると思う。ハウルの魔法でも追っ手から逃げる時に使った「5分だけ見えなくなる」っていう魔法がある。ずっと見えなるんじゃなくて5分だけって限定されてるところがミソなんじゃないか。
魔法を使う為に心臓を差し出すリスクだってある。
便利になるのと引き換えに犠牲にするものがあるわけだ。現代人もこれを忘れちゃいかんなあ。
人間は欲深いから一度便利になったら元に戻るのは耐えられないし、さらなる進歩を待ちきれない。どんどん進歩していく。そしてどんどん犠牲になってく。犠牲になってくものは、やさしさとかゆとりとか数字で表せないものだ。だから誰も犠牲の内訳を明示できずにどんどん人間らしさを失ってく。
そのうち人間が引き換えるものがなくなって、罰を受ける時が来るね。のび太がドラえもんの道具を悪用した時に大失敗するみたく。


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映画の感想 水曜どうでしょう

東京タワーの代打

今日は本来であれば「東京タワー」が放送される日だった。
山本がアホなのか、女子高生がウソついてるのか、欽ちゃんが勇み足なのかはどうでもいいけども、残念でしょうがない。
そのかわりというわけじゃないけど、随分前に友達からもらった「銀のエンゼル」を見た。水曜どうでしょうの鈴井さんの第三回目監督作品。大泉洋や安田顕も出演してる。。
農業をやめてコンビニ経営をしている主人公が、妻の入院がきっかけで、娘の養育やコンビニ経営にあまりに無頓着だった自分に気付くというのがあらすじ。舞台が北海道というせいか、のどかにたんたんと物語が進行していく。登場人物も落ち着いた人達ばかりなのだけど、終盤で主人公が感情を爆発させるきっかけを与えるはやっぱり大泉洋。純朴で真面目なお話であるにもかかわらず、大泉氏の個性が存分に発揮されていて嬉しかった。
監督が鈴井さんじゃなかったらまず見てないと思うけど、なかなか面白かった。
もちろーん、東京タワーの穴をー、埋められるほどではないけどもおー。(どうでしょう口調で)

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映画の感想

アメリ

今日の日本代表戦があまりにも塩っ辛かったので、口直しにさわやかな気分を求めて「アメリ」を見た。男の僕が言うのは気持ち悪いけど、おとぎ話のようなかわいい映画だった。
周りの人の人生を楽しく幸せな方向に軌道修正してばかりで、なかなか自分の人生は巧く軌道修正できないアメリが、なんとか自分の恋愛に踏み出すっていうのが基本ストーリー。ただ単にかわいい恋愛映画っていうわけじゃなくて物語のテンポも早くてまったりしない。
登場人物はみんなひとクセもふたクセも持っていて、人間味たっぷり。それは誰でも共感できるような、ささやかな好きなことや嫌いなことを持ってるから、わずか2時間ちょっとの映画なのに強烈な人間味を放ってるんだと思う。たとえば梱包材のプチプチをつぶすのが好きだったり、クレーム・ブリュレの焦げた表面をスプーンで割ることが好きだったり。まあクレーム・プリュレの表面を割る気持ちはよく分かんないけど、誰でも自分だけが楽しいと思えるささやかな幸せを持ってるはず。登場人物のとあるおっちゃんが言った「心の癒し方は人それぞれ」って言葉に凝縮されてる。ちなみに僕は家の中から土砂降りの雷雨を見るのが大好き。なんでかは自分でもわかんないけどやたら気持ちが落ち着く。
久々に良い映画見たなあ。これもジーコジャパンが不甲斐なかったおかげだ。感謝感謝。でもドイツでも不甲斐なかったら許さん。

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U-571

ウチの奥さんがBON JOVIにハマってて、先日も2日連続で東京ドームに行ったようで、最近の我が家ではBON JOVIがヘビーローテーション。今もBGMはBON JOVIなんだけど、さっきJON(BON JOVIのボーカルね。為念)が出演してるU-571という戦争映画を見た。
いやもうネタバレとか遠慮せずに言うけど、もうヒドイの一言。確実に人生の貴重な2時間を無駄にするのでみなさん見ないで下さい。まずお目当てのJONですけどね、まあ客寄せパンダ出演だから途中で戦死するとは思ってたけど、一応主人公の親友という役だから、そこそこの見せ場で2階級特進バリの死を遂げるかと思ってた。ところがどっこい、あっけなくその他大勢と一緒くたに死んじゃうの。ていうかしばらく経ってJONがいないのに気付いて、ああやっぱりさっきの戦闘シーンで死んだのかな?って感じ。
序盤でJONが死んじゃうもんだから、ウチの奥さんもそうそうに戦意喪失。ドイツ人が死のうがアメリカ人がやられようがおかまいなし。その他のキャラも人格形成される前にバッタバッタと死んでく。感情移入もへったくれもなし。でもってそんな状況でも主人公だけはカミカゼに守られてるかの如く助かる。敵の魚雷や爆弾は当たらないけど、こっちの魚雷は百発百中だ。さすがアメリカ様だ。すごすぎる。
・・・あやうくナチスドイツを応援しそうになった。

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映画の感想

プライスレス

今日は雨だったので、サッカーは中止。家でゴロゴロして、男はつらいよシリーズ第17作の寅次郎夕焼け小焼けを見た。
さすがに17作も見ると寅さんシリーズのワンパターンな展開にちょっと飽きがきてたけど、この夕焼け小焼けはひと味違う。感動して涙が出た。
今回はいつもの寅さんの恋愛が主題じゃない。宇野重吉扮する日本画家の先生との交流を軸にして、「お金よりも大切なもの」がテーマになっていたと思う。

だからシリーズでお約束の、寅さんが支払いのシーンで財布をポンと預けて「釣りはいらねーよ」っていうシーンでも、いつもは財布の中身がお勘定よりも足りないんだけど、今回は支払いがスムーズ(笑)。今回はそんなところでつまづく寅さんじゃないわけだ。
作品を通じて寅さんの粋で人情味溢れているところが全面に押し出されてた。 タコ社長や日本画家の先生が芸者「牡丹」に協力するのは、寅さんの熱意に突き動かされてるんだと思う。善くも悪くも影響力大な人だ。お金が無くても、法律が守ってくれなくてもやさしい心があれば幸せになれるのよ。だって牡丹から200万円ふんだくったおっさんはお金はあるかもしれないけど、寅さんより幸せとは思えないもんね。ラスト10分は涙が止まりません。寅さんが苦手と言う人も17作は是非見てくださいませ。

「世の中は金じゃねーな!」ってこんなに感動したばっかりなのに、、割安の株を探している自分にちょっと罪悪感。

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映画の感想

おいちゃん

こつこつ見てる「男はつらいよ」。ようやく9作目まで見ました。1972年作品だから、まだ僕は生まれていない。9作目にして初めて寅さんがおいちゃんにむかって「それを言っちゃあおしまいよ」って言い放ってました。
今回からおいちゃんが松村達雄になったけど、森川信のほうがダントツ良いわあ。下町のいなせな親父感が違いますね。
しかし男はつらいよのマドンナは残酷だなー。あんだけ寅さんが好き好き光線出してんのに、完全眼中に無いんだもんね。
あなたが好きさーって全身でアピールしてる人に面と向かって
「寅さん、私結婚するわ!本当にありがとう!」ってそりゃーねーだろお。
今回はマドンナが吉永小百合だったので、もういつも以上にしょっぱなから絶望感漂っていて、なんか物語がぎくしゃくしてました。
ということでなんかイマイチだった本作だけど、ひさびさにのぼるが登場して良い味出してたのは印象に残ったな。最後の場面で寅さんと再会して満面の笑みで「ちっとも良いことなくってさあー」って言っちゃうのぼるが好きだわ。

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映画の感想

星2つ

辛口映画監督の井筒さんが星3つつけてたので、「スターリングラード」見ました。面白かったけど、手放しで最高って程でもなかった。
基本的に戦争映画はハッピーエンドにするべきじゃないんじゃないでしょうか。正義が勝つとか愛は戦争にも負けないなんていうメッセージはなんか素直に受け取れないなあ。
ま、そんなことはさておき何より衝撃的だったのは、ジュード・ロウの顔。最近渥美清の顔ばっかり見てたから、随分と造形が違うな−と見とれてました。
月の輪グマとホッキョクグマくらい違うね。