映画ランキングサイトCHANNELCINEMA.COMの恋愛映画ランキングでは、10代女性からの投票をたくさんいただきます。恋愛映画は女子中高生が大好きなジャンルということでしょう。
四十路を歩むおっさんの僕としては予告編を見ただけでくすぐったくなってしまうような映画ばかりだけど、そんなに良いって声が多いならということで高校生の恋愛映画に絞って色々観てみました。どれもこれも僕の高校時代とはかけ離れているので、SFファンタジーかと思うくらいに現実感が無い作品ばかりですが、気持ちがちょっとだけ若返った気がします。
ランキングノミネートの前提として、
1.高校生の恋愛映画
2.女子目線の映画
3.誰かが死んじゃうとか重病を抱えているみたいな強引な催涙弾を放り込んでくる映画は対象外
4.タイムスリップとかSFファンタジー要素が入った映画は対象外
としました。
ということで、おっさん目線で選んだ女子高校生が主役の恋愛映画ランキングいってみましょう!
10位
黒崎くんの言いなりになんてならない
逆R18指定映画(大人は鑑賞不可)
この映画はこういう女子中高生をターゲットにした胸キュン恋愛映画の終着点なんじゃないでしょうか。
主人公の地味な女の子が可愛くなって、物凄いイケメン二人と寮で同居して、そのイケメン二人が主人公の女の子を奪い合うという奇跡のようなシチュエーションが幾重にも重なってるんだけど、その辺の奇跡感は単なる前提でしかなくてさらっと流されます。
そこに至る過程はみなさんそれぞれ勝手に想像してくださいって感じ。とにかくどS系のイケメンと王子様系のイケメンが主人公の女の子を好きで、やれ壁ドンだの、やれ頭ぽんぽんだの同居だのって女子中高生向け恋愛映画にありがちなハイライトシーンをてんこ盛りにした感じ。
美男美女が出てればなんでもいいんです。ほぼ女子中高生向けのアダルトビデオの位置付けとお見受けしました。
四十路のおっさんはただただ顔が赤くなるだけで・・・。
どうでもいいけど主役は中島健人なんですね。どう考えても小松菜奈が主役だと思ったけど。
9位
好きっていいなよ。
監督:日向朝子
出演:川口春奈/福士蒼汰/市川知宏/足立梨花
天文学的な確率に賭ける
確率のことを考えました。
学校で一番人気の男子ということは、少なく見積もって学校に男子が100人いるとして上位1%。そんな人気のある男の子が高校3年間の約1000日で彼女のいない日はどれくらいでしょうね。まあ200日としましょう。そうすると20%
一方の女の子は友達が一人もいない地味な子。
僕の記憶では、男子女子問わずどんなに地味な子でも友達が一人もいなかった同級生は一人もいなかったけど、そんな子も探せばいないことも無いでしょう。
学校に一人だとしてまあこれも1%としましょう。
全校生徒の恋人がいない男女をランダムで無理矢理恋人にするという仕組みがあったとして、この二人が付き合う確率は1%*20%*1%で0.002%です。
あくまで、本人の感情抜きでこの確率です。
実際には一番人気クンは選びたい放題なので、友達が一人もいないくらーい子を選ぶ確率はここからかなり下がるでしょう。天文学的な確率でありえない。
そりゃあ回し蹴りで階段から突き落とすくらいの大逆転の一手でもなけりゃあ無理ですなあ。
8位
今日、恋をはじめます
GUCCIも認めた武井咲がブサイク・・?
「プラダを着た悪魔」という映画は、ダサい女性がどんどんお洒落になっていくという映画です。主役はアン・ハサウェイ。序盤の青いセーターを着たアン・ハサウェイはダサいという設定なんだけど、フツーに絶世の美女なので、ちっともダサいという感じがしなかったんですよね。
この「今日、恋をはじめます」も同じ。9位の「好きっていいなよ。」に続いて、クラス一番の地味な女の子が一番人気の男の子とと付き合う映画なんだけど、その地味な女の子を演じるのが武井咲。出だしからめちゃくちゃカワイイです。
一方で松坂桃李は学校イチのイケメンには思えなかったのは男の僻みですかね(笑)
「好きっていいなよ。」も「今日、恋をはじめます」も四十路のおっさんからすれば演じてる役者が違うだけでほぼ同じ映画。リメイクみたいなもんですね。かろうじてこちらの方が役者の演技が恥ずかしくなかったので上ということで。
7位
アオハライド
監督:三木孝浩
出演:本田翼/東出昌大/新川優愛/吉沢亮/藤本泉
漫画を映画にする難しさ
この映画もやっぱり漫画を映画化した作品ですが、今回は地味な女の子が学校イチの池様(ググって調べて使ってみました。最近はイケメンをこう呼ぶらしいです)とつきあう系ではありません。
いくらなんでも本田翼がブサイクとか地味とかは無理があるってもんでしょう。なので、美男美女のお話なので、まあありえない話という感じはしませんでした。
漫画を映画化する場合、いろんなエピソードを2時間にぎゅっと詰めるから展開が早すぎたりするけど、アオハライドはそんなことなかったですね。逆にちょっとまどろっこしかったかな・・。
ちょっと気になって原作を最後の方だけチェックしてみたけど、オチは漫画の方が圧倒的に良かったように思います。やっぱり漫画の映画化って難しいんですね。
ちなみにこのランキングは10作品中9作品が漫画を映画化した作品でした。なんでアニメ化じゃなくて実写化なんですかね。若手俳優を売り出す市場になってるからかな?
6位
ストロボ・エッジ
監督:廣木隆一
出演:福士蒼汰/有村架純/山田裕貴/佐藤ありさ
ストロボを少々焚きすぎか
冷え性の女性は足裏が冷えやすく転倒しやすいんだそうです。有村架純が演じる木下さんは多分冷え性なんじゃないでしょうか。なにしろよく転ぶ。ストロボ・エッジは「転ぶ女」っていう意味なんじゃないかってくらい。
こういう恋愛映画全てに言えることだけど、それはカワイイから許される。ブサイクだったらダサッて笑われて終わりでしょうねえ。もちろん逆にカッコイイからこそ許されることも多々。どS系王子様なんて超絶カッコ良くないと絶対に嫌われますね。
ともあれ有村架純はめちゃくちゃカワイイので当然許されます。
ちなみに「ストロボ・エッジ」は原作者咲坂伊緒さんの造語で、恋をした時の眩しくて強い想い(ストロボ)が胸に突き刺さる感じ(エッジ)をイメージした言葉だそうです。
そうか、分かった。木下さんは冷え性なんじゃなくてストロボがきつすぎて眩しくて転んでたんだな。
5位
ヒロイン失格
ヒロイン失速
このランキングの中ではちょっと毛色が違っていてギャグ満載の映画です。
桐谷美玲の変顔は合格点と言えましょう。アイドルにありがちな頬を膨らませて寄り目するような、単にカワイイだけの変顔じゃなくて、そこそこ本気の変顔。でもまだまだ伸びしろはあったんじゃないでしょうか。
それはつまり坊主になるところです。あれはもっともっと引っ張ってほしかったですねー。
後半ほぼ坊主みたいな展開だったらめちゃくちゃ面白いのに。あの坊主はバリカンじゃなくて剃ってますから。丁寧に剃り上げるシーンとかあったら最高。
当然そこまではメーター振り切ってなくて、物語が進むにつれてギャグ要素がどんどん少なくなっちゃったのはちょっと残念。
4位
L♡DK
ラブ同居って意味だそうです
ブサイクな女子が一番人気男子と付き合う映画(以下ブサ女映画)も、1人暮らしの高校生男女が同居するという映画(以下同居映画)も、どちらも現実的にはあり得ない設定なのでしょうが、別に映画はあり得る話を描けばいいってもんじゃないので、それはそれでいいわけです。
問題は自分がその世界に入り込めるかどうかってこと。
「ブサ女映画」は全く入り込めなかったのに、「同居映画」は赤面しながらも多少入れたのは何故だろうと考えてみたところ、案外すぐに答えが出ました。
要するに僕自身が人気男子じゃなかったからなんですね。
「ブサ女映画」は、お相手が学校で一番人気の男子というのがキモ。モテ男とは全く異なる人生を歩んできた僕は、凄く拒絶された感じがありました(笑)
一方で「同居映画」はアクシデントで男女が同居することになるっていうのがキモ。それなら僕にも感情移入する権利があるかと・・。
とは言え男の子はやっぱり学校イチのモテモテ男で、演じているのは2016年度CHANNELCINEMA人気俳優ランキング1位山﨑賢人クンなわけですが・・・。
3位
君に届け
監督:熊澤尚人
出演:多部未華子/三浦春馬/蓮佛美沙子/夏菜
貞子に届け
これも「好きっていいなよ。」や「今日、恋をはじめます」と同じパターンで地味な子が学校の人気者と付き合う系のお話。
もはやそういう映画のジャンルが確立されつつあるのかもしれないですね。しかも今回は凄いです。多部未華子演じるヒロインのあだ名は貞子。
学校の人気者が貞子(のような女の子)を好きになるというとんでもない設定ですが、順位が「好きっていいなよ。」や「今日恋」より上な理由は納得感の違い。
四十路にもなると例えフィクションであっても、お話に納得できる理由が無いとダメなわけです。
例えば貧乏人が金持ちになる映画なら、その理由がたまたま宝くじに当たったからでは
「まあそういうことも無いこた無いだろうけどさ・・・」
と冷めてしまうわけです。そこはやっぱりトイレ掃除のおじさんに親切にしたら、そのおじさんは実は大企業の社長だった的な、ありきたりでも良いからそれなりの納得感がほしいってもんです。
そこのところがこの映画は良かったように思います。
うん、それなら三浦春馬だって貞子に惚れるよね・・みたいな納得感があったかと(注:納得感には個人差があります)。
2位
オオカミ少女と黒王子
監督:廣木隆一
出演:二階堂ふみ/山﨑賢人/鈴木伸之/門脇麦
犬とオオカミと少女
飼ったことはないけど犬が好きです。ハッハッと口で息をしてる顔が笑ってるようでなんとも愛くるしい。
ウチの近所にとてもかわいいラッキーという柴犬がいてたまに散歩させてもらいますが、愛くるしい表情やしぐさが何ともたまらんのです。
でも、この映画を見てふと思いました。
ラッキーはどう思ってるんだろう・・・。
「いぬのきもち」って本もあるくらいだから、ラッキーにも感情はあるのだろう。
好きな人間もいるだろうし、嫌いな人間もいるでしょう。仮にラッキーが僕のことを好きでいてくれたとして、首輪で繋がれているこの関係をどう思ってるんだろう。
ひょっとしてもっと対等な関係を望んでいて、首輪は勘弁とか、たまには自分の行きたい道を歩きたいとか思ってるんだろうか・・。お手とかおすわりとかさせるのはかわいそうなことだったりするのかもなあ・・・なんて。
ともあれ、この映画は黒王子の犬となったオオカミ少女(犬なのかオオカミなのかややこしいけど)が人間の地位の奪還を目指す奮闘記です!(半分冗談)
ちょっとふざけましたが、実は結構良い映画でちょっと泣けました(これホント)。
1位
ハルフウェイ
総監督:北川悦吏子
出演:北乃きい/岡田将生/溝端淳平/仲里依紗
四十路には眩しすぎる高校生のありきたり
一言で言うと映画のプロの本気を垣間見た気がしました。途中までは本当に退屈でした。いや、最後の最後まで退屈だったかな。でもなんでか分からないけど、ラストシーンの二人のやり取りというか、最後の北乃きいの演技で作品全体が輝いたように思えました。
あーなんかスゲー懐かしい空気感だなぁって。で、そうなると最初からそこまでのシーンの一つ一つが思い起こされて輝きを放つという実に不思議な感覚。実際すぐにもう一度観直したんだけど、そうすると最初はあんなに退屈だったシーンがとても愛おしく感じたんです。
これは大人向けの高校生恋愛映画だと思いますね。実にありきたりな高校生の恋愛事情。
高校生にとっては当たり前すぎて「だから何?」って感じかもしれません。しかし、おっさんに言わせてもらえるなら、これこそが失ってからわかる青春時代の素晴らしさ。
ありきたりな高校生の恋愛映画の割にはキスシーンに頼らず、北海道が舞台なのにロマンチックな雪の演出もない。そういう映画的にありきたりなものは一切排除して、徹底的な高校生のリアルを描くことで大人の我々に高校時代を思い起こさせてくれてるんじゃ無いですかね。
ぶっちゃけぶっちぎりの1位です。2位以下の映画とはモノが違います。この映画は心の底からオススメできます。
いかがでしたか?何はともあれ山﨑賢人だと思いましたね。正直男の僕からしてもカッコイイ。爽やかすぎる!!危うく惚れるところでした。
それにしてもほとんど作品(全部かな?)が、主役の男の子は学校イチのイケメンというのは、男の僕からすると蚊帳の外に置かれてる感がして納得がいかないですね(苦笑)。
女子目線の恋愛映画を観まくって、一つの決意を固めました。次は男子目線のもっとリアルな恋愛映画のランキングを作ります。乞うご期待!
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