2020年上半期映画ランキングベスト14!

CHANNELCINEMA.COM管理人の私が観た映画のランキングを発表しています。2020年上半期の映画ランキングです。このランキングを参考にして一人でも多くの方が映画館に足を運んでいただけると嬉しいです。
2020年はみなさんご承知のように新型コロナウイルスCOVID-19が猛威をふるい、外出自粛、営業自粛があったため3月頃から5月頃まではほとんど映画館にいけなかったので14本しか観られませんでしたがランキングにしましたのでご覧ください!
みなさんも良かった!という作品があれば、CHANNELCINEMA.COMでその作品に投票して感想を書いていただければ幸いです。それでは、2020年上半期の映画ランキングをどうぞ!

1位
ジョジョ・ラビット


監督:タイカ・ワイティティ
出演:ローマン・グリフィン・デイビス/トーマシン・マッケンジー/スカーレット・ヨハンソン/サム・ロックウェル

愛は最強

「この世界の(さらにいくつもの)片隅に」を1月に観て、あー2020年上期の一位は早くも決まっちゃったなあなんて思ってたら、そのわずか2週間後に超えてくる映画に出会った。
ド・ストライクな映画で、終わった直後に奥さんに電話してすぐにでも観に行ったほうがいいと勧めたほど。
不朽の名作寄りの最高傑作。
愛は万能ではない。愛が全てを救うことはできないし、愛も時には負けてしまうこともある。
それでも愛は最強。
愛は教わるものではなく自分で探して見つけるもの。
そして人生を踊るように生きていく!
あと、いつでもどんな時でも絶対味方星人のヨーキーも最高の愛だったなあ。
あまりにも良い奴が過ぎるからヨーキーもジョジョが作った幻だったんじゃないだろうかって心配になっちゃう。

ノミネートされたアカデミー作品賞を受賞できるか分からないけど、少なくともCHANNELCINEMA.COM賞は差し上げたいと思います。
2020年1月19日(日)鑑賞

2位
この世界の(さらにいくつもの)片隅に

監督:片渕須直
出演:のん/細谷佳正/稲葉菜月

完全傑作の完全版

果たして僕が何歳まで生きるのか分からないけど、人生を振り返ったときにオールタイムベスト10映画に入るであろう「この世界の片隅に」に新たなシーンを足したバージョン。
完全版とかディレクターズカットとかそういう類いです。
映画がとても良かったのですぐに原作を読んだこともあって、追加されたシーンは初めて知らされる新事実というわけではなかった。
だから、初めて観たときほどの衝撃は無かったけど、相も変わらず素晴らしい。

現代を生きる僕たちと同じように冗談を言って笑う「すずさん」の日常がいつの間にか戦争にどんどん蝕まれていく恐ろしさを描いた前作。
「さらにいくつもの」片隅に生きる「リンさん」との交流を追加することで、日常がいつの間にか蝕まれてしまった「すずさん」という女性を深く感じられる映画でした。
どちらも観てないって人は、こちらを観ることをオススメします。
2020年1月5日(日)鑑賞

3位
家族を想うとき


監督:ケン・ローチ
出演:クリス・ヒッチェン/デビー・ハニーウッド/リス・ストーン/ケイティ・プロクター

資本主義の次にあるもの

気にはなりつつも劇場で観られなかった「わたしは、ダニエル・ブレイク」を正月休みの間にアマゾンプライムで鑑賞した。
そうか僕はこんな名作を観損ねてしまっていたのか。どんな予定があったにせよ万難を排して観に行くべきだったなあ。
確かに楽しい映画じゃない。辛い映画とも言える。でも人のぬくもりや良心の素晴らしさを感じられる暖かい映画だった。
監督はケン・ローチ。恥ずかしながら名前を聞いたことすら無かったけどいわゆる信頼できる監督さんだ。間違いない。

ということで、ケン・ローチ監督の新作である「家族を想うとき」は劇場でしかと観届けました。
ダニエル・ブレイクと同じ香りのする良作でした。
派手さはないけど心に染み渡る映画。低カロリーだけど健康的な発酵食品みたいな映画でした。
相変わらずつらい。
でも僕はそれ以上にお互いへの愛情や思いやりという人としての大事なものを失わない(この先失ってしまうのかもしれないが)この家族が輝いて見えた。
たった2作品観たくらいで何をと言われるかもしれないけど、ケン・ローチ監督は社会への問題提起をしながらも、描いているのは人間の素晴らしさだと思う。

もちろん資本主義あるいは格差社会への問題も考えずにはいられない。
漠然と僕らは「社会主義は悪」と教わって育った。
社会主義が全員引き分けにする仕組みだとすると、資本主義は勝者と敗者に線引きする仕組み。
みんなで競争することが経済を発展させる。だから戦後めちゃくちゃに壊れた世の中を豊かにしていくには資本主義が適していたのかもしれない。
でもそろそろ限界なんじゃないか。これ以上勝ち負けが進んでしまうと負けた人は人間の尊厳を失うレベルにまで追い込まれてしまう。全員引き分けはいきすぎだとしても、富裕層から貧困層への富の再配分の仕組みを考える時が来ているのかも。

現代人に便利なサービスを求めるなっていうのは多分もう無理だからね・・。
2020年1月11日(土)鑑賞

4位
ミッドサマー


監督:アリ・アスター
出演:フローレンス・ピュー/ジャック・レイナー/ウィル・ポールター

北欧のだんじり

10年くらい前に大阪の熊取町でだんじり祭を撮影するという雑誌の企画に参加しました。
猛スピードで狭い路地を駆け抜けるだんじり。トランス状態の漢たちが怒声を上げながら駆け抜けていく。
ひゃー凄い迫力!
祭りの合間にだんじりを引くお兄さんと話す機会があった。
ここではだんじりは最重要案件であり、みんな1年中だんじりのことを考えてるんだそうだ。
「凄いですね。命かけてますね」
ちょっと大げさに間の手を入れると
「ああ時々事故で亡くなる人もいるからな。まさに命がけだよ」
と返ってきて、文字通り命がけなんだと分かってびっくり。
壁や電柱とだんじりの間にはさまれたり、横転しただんじりの下敷きになり命を落とす人が絶えないらしい・・・。
21世紀の現代日本で命をかけるお祭りが未だに行われているだなんて想像だにしなかった。
それでも祭りをやめようとか、方式を変えようという発想にはならない。
せいぜい子供神輿くらいしかかついだことが無いモヤシっ子の僕には全く理解の及ばない領域だ。
もともとは五穀豊穣を祈願していたんだろうけど、現代社会でだんじりを引き回したから豊作になるなんて考える人はいないでしょう。
にもかかわらず命の危険をおかしてだんじりに熱狂する。
よそ者には分からない命をかける魅力がそこにあるのでしょう。科学や理屈では説明できない世界。
身近な大阪ですらこんな世界があるんだから広い世界には命をかけるお祭りは今もたくさんあるはず。
ただね。どんなお祭りに熱狂しても自由だけどよその人を巻き込んだらダメ。
例えば生贄が足りないから他所から連れてこようってのはルール違反だと思うの。(注:ミッドサマーのこと。だんじりのことじゃないです)
だんじりのお兄さんだって「ここに来たからにはお前もだんじり引いていけ」なんて言わなかったもの。

なんかほとんど映画と関係なくてすみません。
映画はというと牧歌的なお花畑、可愛らしい民族衣装、伝統的な踊りや音楽。平和を絵に描いたような村で行われる北欧版だんじり祭りでした。
見た目とやってることのギャップが超こわい。
2020年6月3日(水)鑑賞

5位
ストーリー・オブ・マイライフ/わたしの若草物語

監督:グレタ・ガーウィグ
出演:シアーシャ・ローナン/エマ・ワトソン/フローレンス・ピュー

本はKindle、映画は劇場

新型コロナの巣ごもり期間にアマゾンプライムで鬼滅の刃を試しに観たらすっかりハマりまして。
テレビの続きが気になるってことでコミックを買おうとしたら20巻も出てるって言うじゃないですか。
最近モノが増えることに抵抗があって、コミックが20冊もの容量が我が家のキャパを埋めるのがどうにも嫌。
でも続きは気になる。
悩んだ末に出した大人の結論・・Kindle購入!
これが実に良い。想像よりはるかに軽くてかさばらないし、タブレットやPCと比べると光がやさしく目が疲れない。こんな小さなディバイスに何百冊も本が入るなんてなんて素敵なんでしょう。
しかもおまけでついてきた3か月分のkindle unlimitedでかなりの本がタダで読める。
最高。もっと早く買ってればよかった。ということで皆さん。Kindleおススメですよ。
・・・なんて話をしたいわけでなく、話はストーリー・オブ・マイライフです。
若草物語の映画化作品。一度も読んだことない若草物語はなんか説教臭そうだったので今回の人生では縁は無いだろうと思ってたけど、あのグレタ・ガーウィグ+シアーシャ・ローナンのレディ・バードの二人がタッグを組んだというのでこれは観ないわけにはいかんと。
ただどうやら先に観た人の感想によれば本作は
「若草物語は不朽の名作なんだからみなさん当然読んだ上でこれを観てますよね?」
という前提で作られている映画らしい。読んだことが無い人は話の展開についていけないとか。
そっかー。では図書館で借りてみるか・・と迷ってたところに思い出したのが例のkindle unlimited!
早速探してみると・・ありました!児童文学扱いでやたらひらがなが多めだけどそんなに大したボリュームじゃないけどこれなら1週間もあれば読める。
映画館に行くのを1週間ずらして小説を読んでから観ました。
結果大正解。事前に読んでおいて良かったし、映画もすごく良かった。
読破したと思い込んでいた若草物語は長い長いサーガの前半部分でしか無かったようだけど、
それが却って「前提は理解できるけど、結論は知らない」という絶妙に楽しめる状態にさせてくれました。
小説ではあまりに善人具合が強くて胡散臭く感じた登場人物たちの聖人君子具合が、グレタ・ガーウィグの手にかかると実にナチュラル。
出てくる人全員が善人という「男はつらいよ」みたいな世界が実に心地いい。
そんな善人ワールドに住む4姉妹の物語が、金箔も施された上製本に丁寧に仕上げられていく様を観て、Kindleでサブスクデジタル入手してしまったことをちょっとだけ申し訳なく感じました。
2020年6月20日(土)鑑賞

6位
ルース・エドガー

監督:ジュリアス・オナー
出演:ナオミ・ワッツ/オクタヴィア・スペンサー/ケルヴィン・ハリソン・Jr

レッテル貼り貼られ

乙武洋匡さんの不倫報道を聞いた時、不潔!不純!などと非難する気持ちにはならず、ただ意外で驚いた。
乙武さんはベストセラー五体不満足で語られてるように(読んで無いけど)、重い先天的な障がいを抱えながらも、行動に限界を設けずに前向きにたくましく生きている人という印象だ。
正直それくらいしか知らないんだけど、その印象を勝手に膨らませて「人格的にも素晴らしく、信頼できる人」というレッテルを貼ってしまっていたらしい。
だから乙武さんの不貞に驚いた。あの品行方正な乙武さんが不倫ですって!みたいに。
それこそガンジーがDVしたってくらいの驚きだった。

レッテルを貼ることそのものは悪いことじゃ無いと思う。
他人の発言や行動の一つ一つをいちいちニュートラルに判断していくのは疲れる。
この人は優しい人、嘘をつく人、陽気な人、ある程度のカテゴライズは必要だと思う。
でもそれがその人の全てでは無いし、その仕分けは間違ってる可能性があるってことを忘れちゃいかん。
牛肉の札を貼った肉は神戸牛かもしれないし、オージービーフかもしれない。ごめんなさい実は豚肉でしたなんてこともあるわけだ。

だから乙武さんの不倫報道に対して「裏切られた」と憤るのは違う。
乙武さんは「僕は不倫なんかしない人格者ですよ」なんて誓いを立ててたわけじゃない。(奥さんには誓ってるだろうけど)。
この人は不倫しない人と思い込んだのは自分。
貼ったレッテルが間違ってたなら憤るのではなくただレッテルを貼り直せばいい。
障がいにくじけず前向きに生きる聖人ではなく、障がいにくじけず前向きに生きる性欲の強い人だっただけなんだから。

一方で僕ら日本人は自分がどう思われているか空気を読むのが良くも悪くも得意。
だから当然自分に貼られたレッテルもなんとなく把握していて、その期待に応えようとしてしまう。
そうやっていつの間にか本当の自分を見失ってしまってるのかも。
乙武さんもアンジャッシュ渡部さんもレッテルを剥がして本当の自分を大切にしたのでしょう。
もちろん本当の自分を大切にした結果、失うものが大きい場合もあります。その辺は自己責任で。

ということで、レッテルを貼る時、貼られた時の対処方法をこの映画に教わった気がしました。
えーと、もうちょっと映画に絡めると、アメリカの黒人の場合は「ならず者」か「超優等生」という対極にあるレッテルのどちらかを貼られやすく、一度そのレッテルが貼られると剥がすのはかなり難しいという厳しい現実があるようです。
本当はほとんどの人がその中間なのにね。良いこともするし、浮気もするわ。
2020年6月13日(土)鑑賞

7位
ナイブズ・アウト/名探偵と刃の館の秘密


監督:ライアン・ジョンソン
出演:ダニエル・クレイグ/クリス・エヴァンス/アナ・デ・アルマス

相続禁止法案

やたらネタバレに厳しい昨今の状況を若干鬱陶しく感じるものの、
さすがにこの手のミステリー映画に関してはネタがバレていく過程こそがキモなので、さすがに僕も気を遣います。
そうするとせいぜい宣伝チラシに書いてあることくらいしか書けないのですね。
ということで映画の面白さではなく、映画を観て思いついた革新的なアイデアについて書きます。
ずばり相続禁止法案。
日本も含むおそらくほとんどの国で相続税の仕組みは整備されてる。
多額の資産を相続する人は同時に多額の税金も納める。
税額が大きい人は相続するだけなのに何故国に金を払わなければならないのかって不満に感じるようです。
でもね。それでも手取り額があるわけじゃないですか。自分は何にもせずたまたま金持ちの家に生まれただけなのに。
住んでいる家を相続するだけで税金を取られるなんてと不平を言う人もいう。
でも借家育ちで相続する金がない人は家も金も全部ゼロから自分で手に入れるわけでしょう。
そういう人は「相続する金や家がないなんて不公平だ!」なんて言えないわけだし。
一家代々の土地なんて無くして、死んじゃったら一旦リセットって感じでどうでしょう。
相続できるのは配偶者までで良いんじゃないですかね。
子供は子供で自分でしっかり稼ぎなさいよと。自立するまで裕福な環境で育ててもらえる時点で十分アドバンテージを貰ってるんだから。
そしたらアメリカも日本ももっと良い世の中になると思いますよ。
ナイブズ・アウトみたいなことも無くなるし。
あっ・・これネタバレですかね?
2020年2月2日(日)鑑賞

8位
フォードvsフェラーリ


監督:ジェームズ・マンゴールド
出演:マット・デイモン/クリスチャン・ベイル/カトリーナ・バルフ

会社の歯車とクルマ

このクソスーツ組め!やい、てめえら!事件は現場で起こってるんだよ!
と憤りながら純粋にロマンを求め続けるヤンチャな2人の男を応援するのが、この映画の正しい楽しみ方なわけですが・・・。
中間管理職になってかれこれもう6年。すっかり僕も会社の歯車になったんだなあと感じてしまう。
結構な割合で
「いやいや、それは会社の言い分が正しいのでは?」
「そうは言うけど、金を出してるのは会社ですから」
「君たち2人だけの力でここまでこれたと思ってるのか?」
などと完全に会社目線での物言いになってる自分に気づいたからです。

副社長のとあるアイデアにいたっては
「さすが副社長!素晴らしいアイデアですね!」
などと心の中でゴマをすり始める始末。嫌ですねえ・・。
2020年1月13日(祝)鑑賞

9位
テルアビブ・オン・ファイア


監督:サメフ・ゾアビ
出演:カイス・ナシェフ/ルブナ・アザバル/ヤニブ・ビトン

ユーモアのある落としどころ

以前イスラエルを旅行した時に、エルサレムからアラブバスに乗ってパレスチナ自治区のベツレヘムに行った。
途中でバスが止まりイスラエル兵が乗り込んできてパレスチナ人のIDをチェックする。
マシンガンを携える女性兵士のチェックを何も言わず静かに受けるヘジャブを巻いた女性を見た。
ベツレヘムではパレスチナ人のタクシー運転手ワリードに案内してもらった。
見晴らしがいいヘロデオンの高台でワリードは遠くを指差してあれがユダヤ人の入植地だと教えてくれた。
憎々しげでもなく、悲しげでもなく、たんたんとそう教えてくれた。
怒り続けて疲れてしまったのかもしれない。あるいは怒っても憎んでも何も変えられない自分の無力さを知って諦めてしまったのかも。

エルサレムは西はイスラエル、東はパレスチナに分かれているにもかかわらず、イスラエルは東エルサレム側に大きく食い込んで悪名高き分離壁(アパルトヘイト・ウォール)を作った。
(結局聖地エルサレムをイスラエル側に完全に取り込みたいってことなのだろう。)
エルサレムの嘆きの壁の近くにホロコーストの犠牲者6百万人を表す6つの星のモニュメントがある。
ホロコーストの被害者であるユダヤ人が、なぜパレスチナにこんな仕打ちをするのか。
迫害の辛さを一番よくわかっているはずなのに。
パレスチナは耐える。
妥協無しの完璧を求める暴力や理想論じゃ解決できない。
この映画のようにユーモアが少しある落としどころを探るのが解決の道なのかも。
くすっと笑えるコメディながらも、笑ってお気楽に仲良しこよしって安直に終わらないところが良かったな。
2020年2月16日(日)鑑賞

10位
ペイン・アンド・グローリー

監督:ペドロ・アルモドバル
出演:アントニオ・バンデラス/アシエル・エチェアンディア/ペネロペ・クルス

立ち上がれオールドルーキー

勤めている会社でリストラがありました。
ベテラン社員から希望退職を募るというもので、僕は年齢的に対象じゃなかったけど、その年齢になるのはそんなに遠い未来じゃない。
30代は次から次へと目標がやってきてがむしゃらに突き進んでいくだけで成長を実感できた。
でも40代に入ってその勢いに翳りが見えてきた。
成長が鈍化しただけならまだいい。プラスなんだから。昨日より今日、今日より明日って希望があるから。
でも鈍化はやがて後退へ変わる不安をヒシヒシと感じる。
リストラで退社される先輩の背中に明日の自分が重なる。
終身雇用の時代じゃなくなってることや、会社が人生の全てではないことは重々承知だけど、
新たな挑戦のために去っていくのと、追われるようにして去るのは意味が違う。
若いころは勝手に向こうからやってきた目標を自分で探して挑戦しなければならない。
アラ人生折り返し地点世代は多かれ少なかれ似たような不安があるんじゃないだろうか。
竹原ピストルはオールドルーキーって歌で
「必要なのは走り続けることじゃない。走り始め続けることだ」
と鼓舞してる。
この映画もそんなオールドルーキーたちへの応援歌だった。
とはいえ歳をとってからもう一度走り始めるのは大変。そんな時に支えてくれるのはどうやら過去の痛みと栄光のようです。
若い時にいかに傷ついて、いかに栄光を勝ち取っていくか。
歳をとっても頑張れる秘訣はそこにあるのかな。
そんなレガシーを持ってる気がしないけどだからって諦めたくない。それでも頑張ります。
応援してくれてありがとう。
2020年6月28日(日)鑑賞

11位
ドルフィン・マン

監督:レフトリス・ハリートス
出演:ジャック・マイヨール/ジャン=マルク・バール/ドッティ・マイヨール/高砂淳二

すべてのグラン・ブルー・ジェネラシオンに捧ぐ

今から20年以上前。時間だけは持て余していた学生時代。
深夜にテレビをつけたら深夜にぴったりの物静かなフランス映画が放送されてた。
何とは無しに観始めてどんどんその世界に引きずり込まれていった。
民放なのにCMが入らなかったような気がする。
(あるいはNHKだったかな??)
とにかくあっという間にその世界に魅了された。
それがグラン・ブルー。
宣伝に煽られたわけでもなく、誰かに勧められたわけでもないのにすっかりハマったから、まるで自分だけの宝物を発見したような気分だった。
(実は日本ではものスゴく人気があったというのは後で知った)
ハデな展開もない映画が、若造だった僕にどうしてここんなに刺さったのか。
とにかくシンプルに全てがクールに映った。
ジャック・マイヨールを演じたジャン=マルク・バールのルックス、初めて観たフランス映画で聴いたフランス語のセリフの響き、ジャン・レノ演じる大柄なエンゾが乗るミニカーのようなフィアット500、パスタの食べ方、エリック・セラの音楽まで何から何までカッコよかった。
ああフランス人かイタリア人に生まれたかったと、当時ハタチそこそこの日本人青年は思ったものです。
もちろんそれだけじゃない。
人よりもイルカのほうが通じ合えるミステリアスな雰囲気たっぷりの主人公ジャック・マイヨール。
偉大なる青を求めてさらに海の深くへ潜っていく。全くもって理解できない男。
愛した女性ですら彼を理解できない。それでも静かに、しかし確実に自分の道を突き進む姿が悩める大学生だった僕には輝いて見えたのでした。

その後社会人になった僕は写真家の高砂淳二さんとお仕事をさせていただく機会があった。
高砂さんはジャック・マイヨールとお知り合いで、ジャックについて色々話を聞かせてくれた。
グラン・ブルーで描かれたジャックは実在のジャックとは全然違う人物だったらしい。
実際のジャックは感情の起伏が激しく、女が好きでおしゃべりだったとか。
うむ。僕が惚れたジャックとはちょっと・・・いやだいぶ違う気が・・。
ジャック自身も本当の自分とはかけ離れた映画のジャックが有名になっていくことに傷ついたそうだ。

晩年うつ病にかかり自ら命を絶ってしまったジャック・マイヨール。
僕は本当のジャックではなく、作り上げられた観賞用のジャックに惚れていたわけだけど、
それでもジャック・マイヨールは僕の青春時代を代表する1人です。
僕を一瞬であの頃に戻してくれる。懐かしい思い出の人。
ドルフィン・マンは、グラン・ブルーのジャックのほうが有名になってしまったジャック・マイヨールの本当の姿に迫った作品でした。
終始学生時代を思い出しながら鑑賞してたので客観的に語るのは不可能。
しかもしっかり高砂さんも登場されていて懐かしみが倍増。
グラン・ブルーが好きな人にはオススメです。
2020年2月9日(日)鑑賞

12位
パラサイト 半地下の家族


監督:ポン・ジュノ
出演:ソン・ガンホ/イ・ソンギュン/チョ・ヨジョン/パク・ソダム

アジア初のアカデミー作品賞受賞なるか!?

2018年のM-1で優勝した霜降り明星。
これが新しい笑いなのかと痛感したのは世の中の絶賛にイマイチ共感できなかったから。
「そんなに面白いかねえ。和牛のほうが・・・。」
って。
パラサイトもそんな感覚。
プロ・アマ問わず映画評論家大絶賛(鑑賞後だけどアカデミー賞作品賞にもノミネートされた)ってことで期待して、普段は一緒に来ない奥さんも連れて観に行ったんだけども・・
「そんなに面白いかねえ。「家族を想うとき」のほうが・・」
となったわけです。

人がどうあれ自分の感じたことは大事にしたいとは思うけど、さすがにこれだけ多くの人が絶賛してるとなると僕がズレてるんでしょうね。
でもね。パンフレットで2ページの見開き使って著名人の絶賛コメント載せるのって悪趣味だと思いますよ。集客目的の宣伝チラシならわかるけど、パンフレットは映画を観た人の読み物。
そこにこんな大量の絶賛コメントを載せられると
「こんなに多くの識者が絶賛してるんだから、楽しめなかった人はおかしいですよ」
みたいな同調圧力的な脅しを感じるのよね。
評論ならともかく感想くらい好きにさせてほしいもんだよ。

ただTwitterでいただいたコメントで気づかされたんだけど、こういう格差社会への問題提起映画を堅苦しくなくエンタメ盛り込んでヒットさせて多くの人に届けたってのは意義深い。
ケン・ローチスタイルでは大ヒットは無理だからね。
2020年1月12日(日)鑑賞

13位
デッド・ドント・ダイ

監督:ジム・ジャームッシュ
出演:ビル・マーレイ/アダム・ドライバー/ティルダ・スウィントン

オフビートの子守唄

ジム・ジャームッシュ監督作品は随分前にナイト・オン・ザ・プラネットを観たっきりなので、
その作風を知らなかったのですが、オフビートが持ち味なんだそうです。
ていゆかそもそもオフビートって何?ってとこから始まってググってみた。
調子っぱずれ(長渕剛「流れもの」より)と理解しました。
ふむ。まあ・・確かにロックな8ビートじゃないね。
だってすごく眠くなったもの。
ていうかビートありました?
オフビートというよりノービートじゃない?
脈打ってなかったんじゃない?
え?ゾンビだからそれで良いって?
そうですか。残念です。
2020年6月7日(日)鑑賞

14位
ラストレター


監督:岩井俊二
出演:松たか子/広瀬すず/森七菜/福山雅治

全然信じられませんけど本気で言ってるんですか?

バンドをやってる高校時代の友人Nが京都でライブするってことで、東京からはるばるやってきたので久々に会って腹をよじらせて談笑。
それなりに高校時代の昔話に花も咲いたせいか、その翌日に観たこの映画は不必要に自分たちと重ね合わせて観てしまった。
もしあいつが
「もしまだ高校時代のクラスメイトにずっと恋してるって言ったら信じますか?」
だなんて言ったら、いや信じるも何も大爆笑しちまうよって思っちゃったのね。
ということで、もう全然入り込めなかった。
特に男(福山雅治)。あの男とストーカーの境界線って何?
男前かブサイクか?
既婚で2児の母だって言ってる人に数十年ぶりに会って、いきなりあなたにまだ恋してるなんてメールするなんて、まさに自分の気持ちしか考えられないストーカー心理。
福山のツラ構えじゃなかったらキモイを通り越して恐怖だよ。即通報もの。
数十年想い続けてるって純愛っぽくて聞こえは良いけど、想い続けるというよりそこで止まってる感じがしたなあ。
いい加減次行けよ次!って爆笑してくれる友達がいなかったんでしょうなあ。
2020年1月26日(日)鑑賞


最後まで見てくださりありがとうございます。
現在、コロナの感染者が再び増え始めてしまって第2波到来か?という状況ですがなんとか踏みとどまってほしいものです。下半期はもっと映画館に行けますように。
みなさんも是非映画館へ足を運んで、オススメの映画をCHANNELCINEMA.COMで投票して下さい!

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