2016年流行語大賞筆頭候補!ゲス不倫映画10本

2016年も半分以上過ぎましたが、今年の流行語大賞は「不倫」に決まってしまいそうなくらいにテレビをつければ「不倫」の話ばかりですね。
これだけ不倫の話題で持ちきりになるのは、日本人の不倫願望が強いからなんじゃないかと思います。「不倫はけしからん!」というていだけど、本当は「うらやましい」んじゃないですかね。でも「人の道に外れる」と書いて「不倫」なので、もちろんしちゃダメです。
不倫に対する憧れがある方は、不倫映画でも観てバーチャル体験で我慢しましょう。ということで、不倫をテーマにした映画ランキングです。このランキングの映画を観たらきっと不倫なんてしたくなりますよ・・・。

10位
東京タワー(2004年版)

監督:源孝志
出演:黒木瞳/岡田准一/松本潤/寺島しのぶ

現実離れした設定は、もはやSFファンタジーの領域。

東京タワーと言えばリリー・フランキーの自伝的小説が有名ですが、そっちじゃありません。
リリーさんのほうは小説も映画も最高。こっちは最悪。
ランキング10位ですが、上から10位ということじゃなくて最下位という意味です。不倫映画という括りを外してオールジャンルの映画ランキングでもビリになるんじゃないかってくらいヒドいです。これほどまでに主役の二人の破局を願った恋愛映画はありません。

もう頭の先からつま先までヒドい映画だったけど、まず特筆すべきはその設定ですね。
SFファンタジーかと思うくらい現実感が無いです。
黒木瞳演じる主人公は、超美魔女で、青山のセレクトショップ経営者で、しょっちゅうヨーロッパに買い付けに行って、フランス語堪能。旦那さんはCMプランナー、家は東京タワー近くの250㎡のマンション、愛人は20才年下のイケメンジャニーズな男の子(岡田准一)。イエティかツチノコかってくらいに現実感無いわ。(ま、探せばどこかにいるんでしょうけどね)

この設定に対する不快感は僕のひがみが入ってるとしても、一番居心地を悪くさせてる要因は登場人物の不倫しか描かれてないってことだと思います。ベッキーもゲスもファンキーも、一日中不倫だけしてたわけじゃないですよね。バラエティの司会したり、歌うたったりと、不倫以外の時間は仕事をしてるわけじゃないですか。でも、この映画ではみんなただの「不倫をする人」なんです。日常の人物像が見えて来ない。いや授業や仕事のシーンもあるんだけど、頭の中は不倫のことで頭がいっぱい。
こんな人達に感情移入できないですよ。気持ち悪いったらありゃしない・・・。

9位
エイジ・オブ・イノセンス/汚れなき情事

監督:マーティン・スコセッシ
出演:ダニエル・デイ=ルイス/ミシェル・ファイファー/ウィノナ・ライダー

汚れなき不倫。いや、どろどろに汚れてる気が・・。

自分の奥さんや旦那さん(あるいは彼女や彼氏)が浮気しているとして、浮気相手と体の関係がある場合とない場合はどちらが許せないですか?一般的には体の関係があるほうが許せないですよね。
でも一晩だけの体の関係と、体の関係は無いかわりに何十年も想い続けている関係とどっちが罪が重いでしょう。
多分これ、男でも女でも後者のほうが罪が重いという人が多いんじゃないですかね。
この映画は後者方向の不倫です。汚れなき情事とかイノセンスとか謳ってますけどね、充分汚れてるんじゃないかなー。

ということで、まあ一応純愛系の不倫映画です。初恋の恋人が忘れられない!とかって人には良いのかもしれないです。

8位
危険な情事


監督:エイドリアン・ライン
出演:マイケル・ダグラス/グレン・クローズ/アン・アーチャー

不倫映画史上最強のモンスター登場。

エイジ・オブ・イノセンスは汚れなき情事でしたが、本来情事は汚れてるもんです。危険なもんです。
こっちの情事は超ヤバイです。限りなくホラー映画に近い不倫映画です。

というかそもそもですね、浮気相手のアレックス(グレン・クローズ)が怖すぎる!
豹変する前からです。登場した瞬間から怖いんです。当時は流行してたんだろうけどチリチリパーマで、鬼瓦みたいな顔です。主人公の男友達がアレックスの悩殺視線を「男を殺す視線」と表現するんですが、マジで文字通り殺す視線ですわ。
こういう女性はタイプじゃないとかそういう次元じゃないような気がします。ジェイソンとかフレディとかそういうキャラクターが比較対象なんじゃないでしょうか。

7位
アンナ・カレーニナ(2012年)

監督:ジョー・ライト
出演:キーラ・ナイトレイ/ジュード・ロウ/アーロン・テイラー=ジョンソン

カレーニン家のアンナさんと二人のアレクセイ。

トルストイの長編小説が原作ということもあって、タイトルだけは知っていましたが、不倫のお話とは思いませんでした。
アンナ・カレーニナというのはキーラ・ナイトレイが演じる主人公の名前。アンナはカレーニン伯爵の奥さんです。タイトルが「アンナ」ではなく「アンナ・カレーニナ」だというところがミソですね。アンナはどうしたってどこへ行ったってカレーニンの奥さんなんです。
19世紀ロシアにおいて、離婚は相当タブーなようでなかなかこの「カレーニナ」を「ヴロンスキー(アンナの浮気相手)」に変えることが出来ません。
ちなみに、カレーニン伯爵もヴロンスキー伯爵もファーストネームがアレクセイ。
ヴロンスキーに「アレクセイ」と呼びかける度にカレーニンの顔がちらつかないんでしょうか。日本でも旦那さん(または奥さん)と浮気相手の名前が同じってことはあるんでしょうね。なんかそれって凄く残酷なシチュエーションだと思うなあ・・・。

6位
恋人たちのパレード

監督:フランシス・ローレンス
出演:リース・ウィザースプーン/ロバート・パティンソン/クリストフ・ヴァルツ

あんた、命が惜しくないのか?

世の中には好きになってはいけない人がいます。既婚者です。
好きになった人が既婚者だった場合、たいていの人はそこで恋を諦めるわけですが、どうしても自分を止められない場合に人は不倫に走ることになります(exベッキー)。
でも好きになった相手の伴侶が自分の親友だったらどうですかね?それでも自分を止められない人は少ないと思いますが、まあそういうブレーキパッドが壊れた人もいないこともないか。
では、好きになった相手の伴侶が殺人も厭わないヤバイ人だったらどうですか?それでも止められなかったらそりゃあ本物の愛なんでしょう。なんてったって命がけの恋です。そんな恋が実るのは映画の中だけなんじゃないですかね。ということでそんな向こう見ずな恋のお話です。

5位
ことの終わり

監督:ニール・ジョーダン
出演:レイフ・ファインズ/ジュリアン・ムーア/スティーヴン・レイ

神様は寛大です。ついでにダンナもすごく寛大です。

人はもともと嘘をついたり、悪さをする生き物で、それを抑止するのが宗教だと思います。見えない神様がどこかで自分を見ていると信じて自分を律する。
神様が本当にいるとして、神様は不倫を許すでしょうか?どの宗教も「許さない」と教えるんじゃ無いでしょうか。それでも神様は気まぐれだから、不倫をしている人の願いもたまには聞き入れてあげるのかな。
「よしわかった。お前の望みを叶えてやる。ただしお前の命はいただくぞ」
みたいな感じでしょうか。でもそれって悪魔の常套句では??
・・この映画を見てない人は何の話か全く分からないでしょうけど、この映画を見た感想なんです。

4位
恋におちて

監督:ウール・グロスバード
出演:ロバート・デ・ニーロ/メリル・ストリープ/ハーヴェイ・カイテル

あの大御所たちだって躊躇する!それが不倫ってもんです。

ロバート・デ・ニーロもメリル・ストリープも若い!
ゴッドファーザーやプラダを着た悪魔にもこんな初々しい頃があったんですねえ。そんなマフィアのドンや悪魔ですら躊躇する恋・・それが不倫なのです。その葛藤がこの映画のミソだと思います。最近の日本の不倫報道をみていると、いかに謝罪するかというところが、叩かれるか、許されるかの分れ目になっている気がします。
潔く非を認めて謝ればOKみたいな。ベッキーよりもファンキー加藤の方がよっぽどヒドいことしてると思うんです。でもベッキーはセンテンススプリング!などとふざけていて反省の色無しと判断されちゃって叩かれまくった(あとは女性と男性という違いもあるんだろうけど)。
ほとんどの人は伴侶以外の人を少しくらいは「良いな」と思ったことがあるはず。だから芸能人の不倫が報道された時は、不倫したことそのものに注目しているのではなく、不倫をどれだけ反省しているかに注目しているように思います。その対応を間違えるとえらいことになっちゃうという。
映画も同じで、10位の東京タワーみたいに不倫を開き直られると全く感情移入出来ないんですよね。反対にこの「恋におちて」みたいに葛藤があればまあしょうがないところもあるわな・・と、多少は応援出来るってもんです。
でもファンキー加藤はどんだけ葛藤しようが反省しようが、しょうがないねとは思えないですけどね・・・。

3位
テイク・ディス・ワルツ

監督:サラ・ポーリー
出演:ミシェル・ウィリアムズ/セス・ローゲン/ルーク・カービー

トイレ、風呂、歯磨きは全く別の行為だから部屋を分けるべし。

欧米のホテルって、トイレとお風呂が一体になってるじゃないですか。旅行でホテルに泊まる度に、欧米の人は家族が風呂に入ってる時はトイレに行けなくて大変だなあって不憫に思ってたのですが、全く要らぬ心配だったということが判明しました。
奥さんが用を足している時に、旦那さんがずかずかバスルームに入ってきて歯を磨き出すのです。ついでにチューとかしちゃいます(まだ用を足している最中)。でもって奥さんは
「ジムの帰りだから汚いわ」
と言うのですが、ポイントはそこじゃないでしょ!
これ、本当に一般的な家庭のシーンなんでしょうか。日本では思春期の女の子が
「お父さんのパンツと一緒に洗濯しないで」
などど文句を言いますが、そんな女の子がこんな家庭に放り込まれたら発狂するんじゃないでしょうか。これ、例えば「大」のほうでも入っていくのかな?というか「大」か「小」かなんて分からないもんね。入るんだろうなあ。

というところがかなり衝撃だったけど、ストーリー的には一番しっくりきた作品です。良いとか悪いとかじゃなくてどうしようもないことなんだねと・・。

2位
 ピアノ・レッスン

監督:ジェーン・カンピオン
出演:ホリー・ハンター/ハーヴェイ・カイテル/アンナ・パキン

得てして女はロクデナシに惚れるもの。

ウルフルズの「いい女」という歌で、「俺はこんなに真面目で優しいのに、なんであんなアイツがモテるんだ!」的な男の嘆きが叫ばれていますが、世の中ってそういうもんなんですよね。真面目で優しいのはモテる要素の一つかもしれませんが、それだけじゃ人は好きになってくれないし、逆に不真面目で冷たくても好かれる人は好かれるのです。
客観的にはベインズ(ハーヴェイ・カイテル)は主人公のエイダ(ホリー・ハンター)の旦那さん(サム・ニール)に勝ってるとこなんて、何もないと思うんですよね。ルックス、金、インテリジェンス・・どれをとっても旦那さんに負けてるんじゃないでしょうか。ピアノの交渉なんて、弱みにつけこんでるとしか思えないし・・。
そんな取り柄が無いようなロクデナシにも、好きになってくれる人が世界のどこかにはいるって話です。(あ、多分ほとんどの人にとってはそんな話じゃないと思います。)

1位
マッチポイント


監督:ウディ・アレン
出演:ジョナサン・リス=マイヤーズ/スカーレット・ヨハンソン/エミリー・モーティマー

不倫には覚悟と強運が必要!

ウディ・アレン・・サレオツな恋愛映画を撮る監督というイメージでこの映画を観たんだけど全然違いました。良い映画とかもう一度観たい映画とは全然違うんだけど、なかなかの衝撃度だったので1位です。
不倫するならこれぐらいの覚悟を持てよというメッセージなんじゃないですかね。そしてこの主人公くらいに相当な強運を持ってる自信が無いなら不倫は止めとけってことなんだと思います。

あとはスカーレット・ヨハンソンってお色気ムンムンで愛人顔だなあとつくづく思いました。僕が妻と愛人の配役を決めるとしたら、間違いなくスカーレット・ヨハンソンは愛人だなあと。なんででしょあのぷっくりしたたらこ唇ですかね?でもおなじたらこ唇でも石原さとみは、愛人顔ではない気がするなあ。
ま、いずれにしろ愛人顔ってあんまり良い言葉じゃないですね。スカーレット・ヨハンソンさん、ゴメンナサイ。


いかがでしたか?ドロドロしてましたねー。こうして不倫映画を並べてみて分かったのですが、不倫をするキャラクター達は自分の「好き」という想いを凄く大事にしますね。裏を返すと相手の気持ちは全く関係ない。とにかく俺は(私は)こんなにあなたが好きなのよみたいなストーカー的なマインド。今月はこのランキングのために、そんな推しの強い人達ばっかり観てちょっとうんざりしたので、次はキュンキュンする青春恋愛映画ランキングでも作りたいと思います(笑)
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