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サッカー 本の感想

ベンゲルも凄かったが。

某デザイン雑誌編集長に勧められて「オシムの言葉」を読んで非常に感動した。 著者は旧ユーゴ・スラビアに詳しい木村元彦。
サッカーの名監督と言われる人はたくさんいるけど、チームを強くするだけじゃなくて、その国のサッカー文化を底上げしてしまう監督は少ないな。 選手、フロント、マスコミ、サポーター、サッカーに関わる全ての人の意識を向上させようとしてる気がする。レッズファンの僕がジェフの監督であるオシムに魅せられる一番の理由は、「オシム語録」という言葉も飛び出す程のひねりの効いたコメントが楽しいから。
でもこの本を読んで思った。自分の国が崩壊して、隣人が殺しあいをする悲惨な戦争に巻き込まれ、最後のユーゴスラビア代表監督になったオシムの言葉は単にウケを狙ったものじゃない。サッカーについて語っている時でも、サッカーを通して人生を語ってるんじゃないかって思える。憎しみあって(もちろんそうじゃない人もたくさんいて)バラバラになっちゃったユーゴスラビアのどの民族の人も偉大なサッカー監督と言えばイビチャ・オシムの名前を挙げるくらい有能で人徳のあるオシム監督。
全ての日本のサッカーファンは、そんな監督がJリーグに在籍してる幸せをかみしめましょう。

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水曜どうでしょう

ミスターと呼ばれる所以

以前にも日記で書いた水曜どうでしょうの「原付ベトナム縦断1800キロ」というDVDを見終わった。 6年間続いた番組の一つの節目の企画。文字通りベトナムのハノイからホーチミンまで1800キロを原チャリで走り抜けるっていう、おバカさんな企画。
前に見たジャングルリベンジ同様めちゃめちゃ笑ったんだけど、ゴールの場面でちょっとした驚きがあった。 ベトナム縦断がとても大変だったからか、あるいは6年間の節目だからか、ゴールした瞬間に藤村Dが思わず泣いてしまった。それを見た大泉さんももらい泣き。ゴール直前まで大爆笑してた僕としては何が起こったかよく飲み込めず、最初は冗談だと思った。でもどうやら本気涙のようなので、巻き戻ってもう一度鑑賞。ああそうなのか、感動しなきゃいけないシーンなのね。と違和感を感じながらも一応僕も感動してみた。
で、ここでさすがだったのが、ミスター。二人(おそらくカメラマンの嬉野さんも含めて3人)が泣いているのを見て、すかさず「いやいや皆さん涙は駄目ですよ。」とたしなめてる。 いやーさすがだ。この番組はお笑い番組であってお涙頂戴の感動ドキュメンタリーじゃないってことを骨の髄まで理解してる。 そもそも僕は24時間テレビとかの100キロマラソンとかが大嫌い。勝手に自分で走ってるくせになんでこっちが感動しなきゃならんのか。って思っちゃうほうだから、この時のミスターのプロ根性に感動した。 お笑い芸人って、自分が笑われることに必死になってるわけでしょ。視聴者に感動されて涙なんか流されたら番組として失敗だと思うのよね。 多分そういうプロ根性が染込んでるから、過酷なベトナム縦断を終えた直後でも「泣いたらダメだろ!」ってなったんだと思うわけ。 さすが社長だ。大泉氏と比べたら存在感薄いけど、やっぱり「ミスターどうでしょう」なんだなあ。

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思ったこと

若輩者

今年で31歳になるけど、実年齢より若く見られることがたびたびあります。 男にとってそれは「威厳が足りない」となめられている場合もあるけど、おおむね好意的に受け取ってきました。 いや、全面的に好意的に受けとってました。ていうか浮かれてました。
でもこないだのローマ旅行の写真を整理してたら、ふと気付いた。 4枚に1枚くらいの割合で、確実に30歳な僕が写ってるのよね。 あかの他人にこの写真見せたら、確実に30歳のおっさんって思うだろうなーって写真なわけ。
まあ実際30歳だししょうがないかとも思うんだけど、若い若いって言われてただけに、なんか飛び級で年老いたみたいだ。
これが6月のW杯ドイツ旅行では3枚に1枚がおっさん写真になって、
来年のエルクラシコ観戦スペイン旅行では2枚に1枚になって、
再来年のEURO2008オーストリア旅行では
100%全ての写真におっさんな自分が写ってるかと思うと、いっそのこと風景写真だけ撮ろうかなんて気持ちになるもんですよ。
いつか、胃カメラとかレントゲン写真とか医者に見られるようになって、「いやーチャンネルシネマさん、内臓年齢50歳ですよ、まだまだ若い若い!」 なんて言葉に喜んだりするんだろうね。僕みたいなタイプは。

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本の感想

マルコ・ダンドロ

久々に風邪を召しました。土日一歩も外出てない。
先月親に借りた塩野七生のマルコ・ダンドロ3部作
「緋色のヴェネツィア」
「銀色のフィレンツェ」
「黄金のローマ」
を読み終わった。年末のローマ旅行の前に読み切りたかったんだけど、2册目のフィレンツェまでしか読めなかった。多分頑張れば読めたんだけど、1冊目があんまり面白くなくて、これをあと2冊読むのかー、ってちょっとうんざりしてたら、親が
「どう?面白いでしょ?でもまあ1巻が一番面白いんだけどね。」
なんて余計なこと言うもんだから、さらに萎えてローマ編は旅行後に読んだ。結局僕は、話としては2巻が一番面白くて、実際に旅したということで情景が頭に浮かんでくるという点でローマ編も楽しめた。ローマを旅して、かつ塩野3部作を読み終えて、思うことはやっぱりローマってヨーロッパの中でも特別なんだなってこと。ヨーロッパって石の建物が多いせいか、どこの街に行っても、400年前の宮殿だとか、1000年前の教会だとか昔の建造物がゴロゴロしてるけど、ローマはその「昔」のレベルと量が他の街と全然違う。
基本的に中心地は近代的なビルがほとんどない。ローマっ子が昔と言えばそれは紀元前を指す。
「あのコロッセオは昔に建てられました。サンピエトロ寺院はつい最近できました。」
てな具合です。それでもキリスト教の異教文化弾圧で貴重な芸術作品やら建物はかなり破壊されちゃってるみたい。
あーもっときちんと書きたいけど、頭が朦朧としてきたので終わります。次はダヴィンチ・コードのラングドン教授の初登場作品「天使と悪魔」(ヴァチカンが舞台なので)読みます。ではおやすみなさい。

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思ったこと

人のふり見て我がふり直せ

ホリエモン騒動で僕の持ち株も結構下がって、あんまり気分良くないけど、一番気分悪いのはマスコミの報道だな。
「時代の寵児ともてはやされていたけど、実際は違法スレスレでした」
って誰がもてはやしたんだよ!君たちマスコミでしょ。選挙の時ワーワー騒いだのは誰?どうしてそんなに簡単に手のひら返せるの?なんかホリエモンの横柄な態度に日頃むかつきながらも、「時代の寵児」だから仕方なく取りあげてた奴らが、ここぞとばかりに反撃してるんだろうね。あさましい。だったら、選挙に立候補してノリノリの時に「でもライブドアは違法スレスレ」って報道してみろ。まあ、夕刊フジあたりはやってそうだけど。

ついでにちょっと古くなるけど、韓国のES細胞論文捏造問題で大騒ぎした時もそう。あれってほとんどの日本人の根底に多少なりとも存在する「嫌韓」がそこかしこに滲み出てた報道だと思う。それと「日本は科学の分野では世界一」っていう誇りが、傷つけられずに済んだっていう安心感のあらわれだね。いやーちっぽけだ。隣のライバル国に追い抜かれずにすんだぞーって喜んでるようじゃ、日本の将来は暗い。だいたいES細胞の研究結果を発表した時はこんなに騒がなかったじゃねーか。なんで研究結果が捏造だった時だけギャーギャー騒ぐんだ。
「世紀の大発見は残念ながら捏造でした。黄教授にはこの汚名を返上するような本当の大発見をしてくれることを期待しましょう」ぐらい言ってほしい。

人の過ちをそんなに冷たく追及できる程、あなたはいつでもまっすぐ歩けてるのか??