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映画の感想

プライスレス

今日は雨だったので、サッカーは中止。家でゴロゴロして、男はつらいよシリーズ第17作の寅次郎夕焼け小焼けを見た。
さすがに17作も見ると寅さんシリーズのワンパターンな展開にちょっと飽きがきてたけど、この夕焼け小焼けはひと味違う。感動して涙が出た。
今回はいつもの寅さんの恋愛が主題じゃない。宇野重吉扮する日本画家の先生との交流を軸にして、「お金よりも大切なもの」がテーマになっていたと思う。

だからシリーズでお約束の、寅さんが支払いのシーンで財布をポンと預けて「釣りはいらねーよ」っていうシーンでも、いつもは財布の中身がお勘定よりも足りないんだけど、今回は支払いがスムーズ(笑)。今回はそんなところでつまづく寅さんじゃないわけだ。
作品を通じて寅さんの粋で人情味溢れているところが全面に押し出されてた。 タコ社長や日本画家の先生が芸者「牡丹」に協力するのは、寅さんの熱意に突き動かされてるんだと思う。善くも悪くも影響力大な人だ。お金が無くても、法律が守ってくれなくてもやさしい心があれば幸せになれるのよ。だって牡丹から200万円ふんだくったおっさんはお金はあるかもしれないけど、寅さんより幸せとは思えないもんね。ラスト10分は涙が止まりません。寅さんが苦手と言う人も17作は是非見てくださいませ。

「世の中は金じゃねーな!」ってこんなに感動したばっかりなのに、、割安の株を探している自分にちょっと罪悪感。

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本の感想

おとな二人の午後

年末からずーっと忙しい。まあ仕事が無いよりは良いけど。 なもんだから、寝不足が続いていて電車に乗ると即涅槃状態。そんな状況下でコツコツ電車で読んでいた五木寛之と塩野七生の対談集「おとな二人の午後」を読み終わった。対談集だし写真が多いから、ボリュームはたいしたことないのに、読み終わるまで1ヶ月くらいかかった。
この対談はローマで行われていて、写真もローマを中心としたイタリアの写真がたくさん載っているから、内容もイタリアンなのかと思いきや、イタリアとはほとんど関係ない。なんだかお金持ちで教養のあるお二人が、おとなの文化だとかハイソな生き方だとか、僕とは全く縁が無い世界を語った本だ。現実感がなくて、あこがれすら抱かなかった。二人は本の中で日本人について盛んにダメ出しをしてるけど、こういう日本人の日本人による自己批判を読む度に、日本人はホントに真面目だと思う。だってしょっちゅう「私達はこういうところがダメだ」って反省ばっかりしてるんだもんね。
他の国はどうだか知らんが、少なくともイタリア人やポルトガル人は自分達が他の国の人と比べて劣っていると感じる部分があったとしても「ダメだ」とは思わない気がする。 劣ってますけど、だから何?って姿勢のハズ。でなきゃもっと効率良い社会になってる。どっちが良いとか悪いとかじゃなくて、僕もやっぱり日本人だなあって思った。あれれ?何か論理の飛躍がありますか?

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思ったこと

損して得とれ

みんなの家のポストにも入っていたと思うけど、松下電器から不良品の暖房機回収のお願いハガキが届いた。日本の全世帯に送ってるらしい。昨年末もこの一件でテレビCMをバンバン流してたし、その対策費用は240億円だそうだ。
これだけ聞くと大変な痛手だけど、大人の世界はそんなに単純じゃないらしい。昨年末のお詫びCMは、なんと12月度CM好感度ランキングで2位。誠実な対応が逆に松下のブランド価値を高めた。
多分、暖房機は買わないけど、プラズマテレビなら誠実な松下にしておこうてな具合になるんじゃないか。ナショナルは痛いけど、パナソニックはほくほくなわけだ。
ヒューザーも東横インも松下くらいお金を持っていたらピンチをチャンスに変えられたのに。

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本の感想

シリーズ第3弾執筆中らしい

ダヴィンチ・コードの主人公、「ロバート・ラングドン教授」シリーズの第1作「天使と悪魔」上下巻を読んだ。基本的な展開はダヴィンチ・コードに似ていて(正確にはダヴィンチ・コードが天使と悪魔に似ているんだけど)、ローマ版ダヴィンチ・コードあるいはベルニーニ・コードとも言える。
上下巻合わせて600ページ以上のボリュームなんだけど、これまたダヴィンチ・コード同様に物語はたった1日の中で起こった出来事を描いてる。ものすごいスピード感で話が展開するから何日も経ってるような錯覚をするけど、振り返ってみるとああ一晩の出来事だったのか、って感じ。どっちが面白い?って何人かに聞かれたけど、甲乙つけ難いなあ。でもついこないだローマに行ったばっかりだから、ローマの情景が頭に思い浮かんでくるという点で天使と悪魔のほうが楽しめたかも。
とにかく一度読みはじめたら止まらない。こういう本を「徹夜本」というらしい。僕は10日くらいかかったけど。しかもただ猛烈なスピードで読み流しちゃうような軽い話ではなく、科学対宗教という大きなテーマについても考えさせられる。物語の途中のカメルレンゴのスピーチは非常に感心させられるものだった。科学技術がどんなに進歩したとしてもそれを正しくつかいこなせるかどうかは人間の倫理観にかかってるんだなと、改めて。そんなことも考えさせられながらもどんどん話は進んでいくわけだ。まあ、ともあれ読んでください。
ところでダヴィンチコードと比べても全く遜色なく、こんなに面白いのにしかも1作目なのに、ダヴィンチ・コードよりも売れてないのはなんでだろう?多分発売のタイミングとか宣伝とかレオナルド・ダヴィンチあるいはモナリザの人気だとか物語の面白さとは関係ない要素が売れるかどうかを大きく左右するんだな、悲しいことですが。タイトルも「天使と悪魔」ってなんかベタベタだもんな。もちろん原題が「ANGELS&DAMONS」じゃー意訳しようもないけど。