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映画の感想

映画東京タワー オカンとボクと、時々、オトン

2007年4月21日。映画「東京タワーオカンとボクと、時々、オトン」の感想

埼玉スタジアムでの実に1年7ヶ月ぶりのレッズの敗戦のショックを紛らわす為に浦和美園AEONにて、「東京タワー オカンとボクと、時々、オトン」を鑑賞。なんでも映画館の1周年記念とやらで特別価格の1000円で観られた。ラッキーだ。
きっと埼スタの神様が
「今日はゴメンな、これで勘弁な。」
って慰めてくれたんだと思う。
で、映画だけども小説の映像化3作品(単発ドラマ、連続ドラマ、映画)の中では最も良い仕上がりだと思う。一言で言えば安っぽくない。主役のボク役も3作品(大泉洋、速水もこみち、オダギリジョー)の中では最高。オダギリジョーのかっこ良さはアイドルっぽくなくて良いね。観終わった後は悲しくて悲しくて、「俺、なんでわざわざお金払ってこんなに悲しい思いをしなくちゃならんのだろ」って思った。
とはいえ、泣ける度はやっぱり小説にはかなわない。小説の場合はじっくり時間をかけてオカンの人柄を自分の中で作って、あるいは自分の母親とダブらせていく。本を読んでいる数日間は、本を読んでいない時もなんとなく親の存在が心にあったりして、で本を開くと号泣ってパターン。だけども映画の約2時間の制限の中では、なかなかオカンとボクの人生を感じるには時間が足りない印象が否めない。小説に感動して映画を見に来る人が多いと思うけど(僕もそう)、原作を読んだ人は映画でカットされてる部分を自然と補足しちゃうから純粋に映画としての評価は難しいんじゃないかな。
原作を全く知らなくても、ここまで泣けるのか?って思ったもの。
もちろん、映画には映画なりの活字にない良さがある。特に、田舎の青年が東京に出てきて東京で勝負するって雰囲気は良く出てたと思う。
原作は「母」と「息子」の物語だけど、映画はそれに加えて「故郷」と「東京」の物語も強烈に感じる。東京タワーや筑豊の街を映像で見るのと文字で追うのはやっぱり違うね。百聞は一見にしかずだわ(ちょっと違うか)。「ボク」のモヒカンの友達が「もうこれ以上東京で頑張れない」と言って故郷に引っ込むシーンは東京ってやっぱり最前線の戦場なんだなって感じた。
全国から集まってきたツワモノどもが勝負して、リリーさんみたいな人が勝ち残っていく東京。
最前線で戦って、夢破れてベースキャンプの故郷に逃げられる人は良いけど、最前線の東京で生まれ育った人達は夢破れたらどこへ逃げれば良いのかねってちょっと思った。
エンディングテーマソングの福山雅治の「東京にもあったんだ」が終わっても、みんなしばらく席を立たなかった。多分みんな涙を拭いてたんだと思う。僕も奥さんもそうだったからね。

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