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本の感想

バッテリー5

あさのあつこ著「バッテリー5」の感想

いよいよ物語はクライマックスへ突き進む。
スランプを抜け出しつつある巧と豪のバッテリーはたどたどしくも次のステージに登ろうとしていく。横手二中の天才スラッガー門脇も原田へのリベンジに燃えてる。
そんな主役のバッテリーvsスラッガーの影に隠れてチームをまとめていく瑞垣と海音寺の苦悩も5巻のメインテーマになってる。
世の中に天才なんてほんの一握りしかいないわけで、実際に物事を動かして行くのは瑞垣や海音寺のような冷静に状況判断ができて策略を立てられる人。職人肌の天才だけじゃなんにも出来ない。ただこの冷静な人達を熱く突き動かしたのは、やっぱり巧なんだよね。巧本人はクールなのに彼の存在が周りの人間を夢中にさせていく。どんどん巻き込んでいく。巧自身は人にかまってほしくないのに、その思いとは反対に人を惹きつけていく。
そういう巧も5巻になるとだんだん変化が表れはじめる。自分をへりくだったり、話相手に「悪かったな」なんていう言葉を口にするように。まあ、それくらい普通の人から見ればごくごくあたりまえのことなんだけど、巧みにしてみれば大きな変化だ。一般的にはこれを成長というんだろうけど、巧のような天才肌のピッチャーにとってこういう変化は一概に良い影響とは言えない気がするのでやっぱり変化という言葉がしっくりくる。
この変化が巧のピッチングやバッテリーにどんな影響を及ぼすのか?そして門脇には勝てるのか?全ては最終巻に持ち越しです。お楽しみに。

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