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本の感想

ボロボロになった人へ

リリー・フランキー著「ボロボロになった人へ」の感想

リリー・フランキー初の短編小説集「ボロボロになった人へ」を読んだ。
リリー・フランキーの文章と聞いてまず思い浮かぶのは一世を風靡した「東京タワー オカンとボクと、時々、オトン」。あとはエッセイ(とりわけエロいやつ)?
東京タワーは悶絶号泣クラスに感動したけど小説といってもほとんど自伝だったから、本当の意味での小説はどうなんだろ??ってやや不安ほぼ期待で買ってみた。
読んでみるとリリー・フランキー節炸裂。笑えてエロくてちょっと傷負ってて。
ブッ飛んだ設定のお話もあったりして、星新一のSFショートショートに通じるものもあるかも。
小説っていうよりギャグみたいな感じ。
それでもさすがにリリーさんだけあって、結構考えさせられるとこもあり。
法律や倫理といった社会の常識を茶化しつつも、自分の本質を見失うまいとして生きる人達を描いてる。
だからゲラゲラ笑った後に、ふと考えさせられる。
当たり前だと思ってる社会常識は本当は重要じゃなことじゃないんだよと。大麻栽培、売春、死刑制度、戦争・・色んなタブーに挑んでる。もっとも挑んでるっていっても、そこはリリー・フランキーですから。クスクス笑いながら竹やり持ってぶらぶら歩いてく感じです。
本当に大事なのはもがいてる自分なんだと。世間体とか社会とか色んなフィルターで自分自身でも分からなくなっちゃってる本当の自分に素直になろうよと。そうおっしゃってるんじゃないですかね、リリーさんは。クスクス笑いながら。

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