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本の感想

ぬかるんでから

佐藤哲也著「 ぬかるんでから」の感想

佐藤哲也という作家は全く知らなかったけど、伊坂幸太郎がエッセイで薦めていたので図書館で借りて読んでみました。
ジャンルも全く分からず読み始めると、堅い文章だったので哲学的な小説なのかなと思ったらかなりブッ飛んでる物語でした。
強いてジャンルを言うならSFなのかな?
ファンタジーと言うにはおどろおどろし過ぎるし。
ともかく13コの短編が収められてます。
リアルな感じで話が進んでいくんだけど突如、天井にはりつくカバがしゃべったりします。でもってそういう不思議な現象に対して、特に謎が明かされるわけでもなく謎が謎で終わります。
こういう突拍子も無い話ってある程度納得させてくれないとなかなか世界に入り込めないのは僕の頭が固いせいなんだろうか。歳か?
ショートショートSFといえば星新一が思い浮かぶんだけど、星新一みたいな明るくちょっと笑える雰囲気じゃなく、危険というか理不尽というかちょっと怖いというか・・。
謎が謎のまま終わるのが、また怖ーい感じを引き立てる。
登場人物がたんたんとしてあんまり感情を表に出さないところなんかは伊坂幸太郎の作品に通じるものがある気がする。
佐藤哲也作品をもっとハリウッド的に面白おかしくすると伊坂作品になるのかな。
で、結局面白かったか?と聞かれれば、つまらなくはないけどこの作家の作品をもっと読もうという気にはならなかったなあ。
まあ、読書の幅が広がって良かったです。

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