春日太一著「あかんやつら」

あまり詳しいことは書けませんが、個人的にちょっと京都東映とは縁があるのでこの本を読んでみました。
昔の映画は熱かったんですね。そんな熱い人達が作った京都東映撮影所。ここはそんなに凄い歴史がある場所なんだと興奮しながら読みました。
東映は大衆娯楽主義だと揶揄されながらも、映画は娯楽だという信念を持って日本人の心をつかんで栄華を極めていくあたりは最高。その後の東映の没落のあたりになると、文章そのものも退屈になっていって読みにくかったかな。インタビューしたことをただ並べて広く浅く描いちゃっているように思います。前半と後半で別の本にしたらよかったんじゃないかな。
ともあれ東映が間違いなく素晴らしい一時代を築いた会社だったと知ることが出来て良かったです。
東映の比佐芳武氏の
「少なくとも時代映画は、興行価値を持っていなければならないものである。批評家がどれだけ騒ぎ、絶賛を惜しまなかったとしても、それが興行としては成り立たない作品は、時代映画として認められない」
という言葉は説得力がありました。
映画ランキングサイトで上位にくる作品は必ずしも芸術的な作品とは限りません。アイドルが出演しているだけの薄っぺらい作品も多いです。でも時代を動かすということは一部の批評家、専門家を唸らせるだけではできないんですよね。一般大衆の心をいかにつかむか。
その為の要素として
「泣く、笑う、手に汗握る」
これを徹底して盛り込んだそうです。それがあからさまだと芸術的にはよろしくないと言うことになるかもしれないけど、多くの観客は難しいことを考えずに楽しむわけだからヘタに難解にすることはないんでしょうね。
ただし、分かり易くするのはいいけど、マンネリは避けなければいけない。この辺りが東映も苦労した難しいところですね。

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