2021年 映画ランキング

CHANNELCINEMA.COM管理人の私がみた映画のランキングを発表しています。2021年映画ランキングです。このランキングを参考にして一人でも多くの方が映画館に足を運んでいただけると嬉しいです。いつもであれば週1のペースで映画を観て半年単位でランキングを作成しているのですが、今年はちょっと仕事でバタバタしておりまして、なかなか映画を観にいけないため2021年は年間ランキングを発表したいと思います。12月まで随時更新していきます。
みなさんも良かった!という作品があれば、CHANNELCINEMA.COMでその作品に投票して感想を書いていただければ幸いです。それでは、2021年の映画ランキングをどうぞ!

各ランキングの絵は僕が描いたものです。去年のコロナ巣ごもり期間にiPadお絵描き始めました。未熟な絵ですが温かい目で見守っていただければ幸いです。


1位
花束みたいな恋をした

監督:坂元裕二
出演:菅田将暉/有村架純/オダギリジョー

たっぷり2時間花束みたいな恋をした

若干古めの歌で恐縮ですが湘南乃風の純恋歌という曲に
「馴れ合いを求める俺 新鮮さ求めるお前」
という歌詞があります。
男らしい、女らしいと言う表現は放送禁止用語レベルに言ってはいけない時代になりつつありますが、この歌詞は実に男と女をよく表しているなあと共感したものです。

「花束みたいな恋をした」の二人の趣味嗜好は全く自分とは重ならないのだけど、それでも分かりみが深い(おっさんながら頑張って使ってみました)のは、 いかにも男らしい、女らしいという行動や言い回し、思考がそこかしこに溢れていたから。
とりわけクライマックスのやりとりね。
僕も菅田将暉が演じる麦くんと全く同じことをしそうだし おそらく女性というものは有村架純が演じる絹ちゃんと同じ反応なのだろう。
さもありなんと思わせてくれるから、たっぷり2時間「花束みたいな恋」を体験した気になりました。

関係ないけど、老夫婦に生まれ変わっても同じ配偶者と結婚するか?と尋ねると 男性はイエス、女性はノーと答える人が多いようですね。
馴れ合いな女性に安らぎを感じる男と、新鮮な男性にドキドキしたい女ってことなのでしょう。
まあでも、こういう男らしさとか女らしさってどんどん無くなっていくんでしょうね。

あ、なんか回りくどくなりましたが、スッゲー良かったです。
2021年2月20日(土)TOHOシネマズニ条にて鑑賞


2位
あのこは貴族

監督:岨手由貴子
出演:門脇麦/水原希子/高良健吾

タクシーに揺られるのではなく自分で運転する人生

父親はサラリーマンで母親は専業主婦の貧乏でも裕福でもない一般的な家庭に僕は生まれた。
お金持ちの同級生が羨ましかったことは何度かあるけれども、家業を継がなきゃいけないとか、経済的な理由で大学にはいけないとかそういう縛りや制約は全くなかった。
そう思って生きてきたけども、小さい頃から「大学を出てサラリーマンになる」という縛りにも似たレールに乗っていたように思う。
自分の意思でそのレールから外れることはできたはずだけど、今振り返ってみてもそれは難しかっただろう。
その道で食べていきたい分野でもなかった法学部を卒業してサラリーマンになることが、一度しかない人生で成し遂げたかったことなわけない。
わけないけれども、それ以外の自分の道を切り開いていく力があったかというと残念ながら・・。
金持ちの階層であれ、一般庶民の階層であれ、自分の人生を決めつけようとする何かから逃れて本当の自分の人生を生きるのは難しい。
難しいからこそ、そういう人生において自分の本心を語れる、聞いてくれる友や配偶者がいることがすごく大切。
そんなあたりまえを改めて考えさせられた映画でした。

話は逸れるけど、上には上の階級があるんだなあって思い知らされましたね。
門脇麦が演じる主人公華子は松濤のお嬢様で、移動はいちいちタクシーという贅沢ぶりに思わずひれ伏しそうになるのだけど、「上の階級」である幸一郎(高良健吾)の一族が出てきた途端、華子の家ですら庶民的に見えてしまった。

でもまあ・・金は大事だけど金じゃ幸せになれないよってこと。
Twitterをしていなければ出会えなかった作品。
Twitter界隈では大絶賛の素晴らしい映画なんだけど、売れ線じゃないというのはわかる気がする。
この映画が大ヒットするなら日本はとっくにもっと良い国になってる。
2021年3月7日(日)UPLINK京都にて鑑賞


3位
ディエゴ・マラドーナ 二つの顔

監督:アシフ・カパディア
出演:ディエゴ・マラドーナ

泣くほど凄いマラドーナ

映画ジャーナリストの宇野維正さんがこの映画のパンフレットのコラムで
「人生で一度だけマラドーナと同じ空気を吸ったことがある」
として2006年のワールドカップで同じスタジアムでアルゼンチンの試合観戦をしたことを書いていた。
それを読んでそういうことなら僕はマラドーナのプレーを観たことがあるんだったって思い出した
チャリティーマッチのために南米選抜の一員として日本選抜と国立競技場でプレーしたのを観に行ったのです。
1986年のワールドカップで優勝した半年後だったのでまさに絶頂期のスーパースター。
サッカーを始めたばかりの僕はマラドーナの凄さを理解していなかったけど、超有名人である事は理解していて
「わー、あれがかのマラドーナかあ!」
と興奮したことを憶えています。
その年にマラドーナが所属するナポリはセリエAで初めて優勝。
ちなみに僕が初めて買ったサッカーシャツはナポリのユニホームでした。
マラドーナはアルゼンチンやナポリを優勝に導いてスーパースターになった。

・・・と、この映画を観るまでそう思ってました。ところが実際は1984年にバルセロナからナポリに移籍した時点で既にマラドーナはスーパースターだった。入団会見ではナポリの街は大騒ぎ。当時弱小で金も無かったナポリに世界一の選手がやってくるってことで8万5000人のファンがスタジアムに駆けつけた。

そうだったのか。
このドキュメンタリーはナポリ時代を中心に構成されていると聞いて 今更ナポリ時代の話かあ・・とやや期待が下がったのだけれども知らなかったことが盛りだくさんでした。
当時(今も?)貧しくて、北の地域から蔑視されていたナポリを引っ張ってミランやユベントスを倒して優勝する過程は鳥肌もんでした。
改めてディエゴ・マラドーナの偉大さを知ったなあ。

余談ですが国立競技場でのマラドーナの試合後、一緒に観に行った友達は泣いてました。 マラドーナを見て感激して泣いたのではなくて、もっと期待していたのに良いプレーが見られなくてガッカリだったと言って泣いてました。
この試合の前にマラドーナは怪我をしていて本調子ではなかったのです。
正直キャプテン翼くらいでしかサッカーの試合を観たことが無かった僕はマラドーナのプレーが良かったのか悪かったのかさっぱりわかってなくて、確かにゴールは決めなかったなあとは思っていたものの、有名選手が観られて良かったなーって喜んでいたので友達が泣き出した時は本当に驚いた。
そんなに期待してたのか、っていうかそんなにすごい選手なの?本当はもっともっと凄いプレーをしちゃうの?
当時の僕は友達の泣いてる姿を見て逆にマラドーナの偉大さを知ったのでした。 (今思い出しても、いくらなんでも泣くなよって思うけど本当に涙と鼻水を流して泣いてました。)
2021年2月14日(日)MOVIX京都にて鑑賞


4位
シン・エヴァンゲリオン劇場版:||

監督:庵野秀明
出演: 緒方恵美/林原めぐみ/宮村優子

さようなら、全てのエヴァンゲリオン

学生時代に放送されていたテレビシリーズに熱狂したものの、旧作劇場版で「え?どういうこと?」って置いてかれてからは、こちらからも追いかけることなく新劇場版は映画館に足を運ぶことはなかった。
エヴァンゲリオンについてはその程度の熱量だったわけだけども、テレビシリーズの熱狂が数々の劇場版の「は?」を経て、いよいよ完結するとあって、とりあえず劇場鑑賞すること間違いなしって感じで公開を待ってました。

新型コロナの流行で2020年6月の公開が延びに延びて結局2021年3月8日(月)にいよいよ公開決定。珍しいことに月曜日に公開。こういう話題映画は早めに観ておかないとネット上でネタバレをくらってしまうのでなるべくお早めにお召し上がるのが常道です。
ということで最初の週末に観にいこうと計画していたところ、公開当日に仕事をしているとどうもこれは定時に上がれそうな匂いがプンプンしてきました。会社から近いTOHOシネマズのウェブサイトを覗くと空席十分あり。これは行くしかないだろ。こうしてそれほどのエヴァ熱でも無かったはずなのに気づけば平日の公開初日に鑑賞とという運びになりました。

いやもうぶっ飛びましたね。週末に鑑賞予定だという会社の後輩に「絶対にネタバレしないでくださいね」と言われていたものの、ネタバレするもなにもほとんど理解できなかったからネタバレのしようがない。
とにかくすごくてクライマックスは訳わからなすぎて笑ってしまうところもありました。
ただなんとなく感じ取れたのはテレビシリーズのファンにも最大限配慮した「終劇」だったんじゃないかな。
状況が全くわからないにもかかわらず、グッと来るところもあったし。
ということで意味がわからんがとてつもなく興奮してとりあえず大満足!というのが1回目の感想。

今年は実はちょっと仕事の関係であまり映画を観れていないのだけども本作は2回劇場に行きまして。
パンフレット読み込んで、考察サイトチェックして、序、破、Qを観直して、エヴァ用語を頭に叩き込み直して改めて1ヶ月後に2回目を観ました。
すると・・・当たり前なんだけどまず驚きは皆無。そしてストーリーの理解度も初回よりも遥かに高くなったっ結果・・・あれ?
なんか・・やたらスケールが小さい話のような気がしてきた・・・ 1ヶ月前の熱狂はなんだったのか。
うーむ、でも卒業とはこういうものなのかもしれない。こういう話だったということがわかった以上は過去作を振り返ることもないでしょう。
さようなら、全てのエヴァンゲリオン。

ちなみにイラストはQの時のビーストモードのアスカです。リアルな人間っぽく描いてみました。
で、下はKATEのCMの大人になった綾波レイのリアル版。
2021年3月8日(月)、2021年4月11日(日)いずれもTOHOシネマズ二条にて鑑賞


5位
ノマドランド

監督:クロエ・ジャオ
出演:フランシス・マクドーマンド/ピーター・スピアーズ/モリー・アッシャー

やっぱり無理

資本主義や競争社会に疲れた現代人は仕事や地域社会に縛られない自由な生き方に憧れます。金に縛られず大自然の綺麗な景色を眺めて生きてみたい。
僕もそういう想いはあるけれど、現実的には無理だよなあと諦めてしまってる。
本作はそんな叶わぬ夢を体験させてくれる映画。
・・と期待してました。

いや、確かにそういう部分もあってアメリカの雄大で美しい自然が存分に描かれています。
でも、一方でやっぱり自然は厳しい。そんな厳しい自然の中では人間は協力関係を築いて社会の一員となった方がいいんじゃないか、ノマド生活は寂しい、今の生活の方が良いなと思ってしまったのでした。
綺麗な夕陽に見惚れるのではなく、厳しい雪に閉ざされた暗く寒い暮らしが印象に残りました。
ということで、なんか想像してたのと違うって感じ(映画のせいじゃないです)。
2021年3月27日(土)TOHOシネマズ二条にて鑑賞


6位
ベイビーティース

監督:シャノン・マーフィー
出演:エリザ・スカンレン/トビー・ウォレス/ベン・メンデルソーン

食べ過ぎ注意

余命や難病などのハードル設定を入れると物語の波が激しくなって否が応でも気持ちが揺さぶられます。
感情移入した主人公が死んだらそりゃあ泣きますよ。
でもそういう即席インスタントな涙は後に残るものはあんまりないですね。
それどころか好きな人が死んだから悲しいっていう大ざっぱな物語を浴び続けると繊細な感情が失われてしまうような漠然とした不安があります。

例えるとファーストフードみたいなもんですかね。
食べた瞬間は美味しいのだけど、胃もたれするし中長期的には体にもよろしくない。
なので、これはあくまで僕の嗜好なのだけれども、余命・難病ハードルを設ける物語とりわけ恋愛ものはあまり食べないようにしてます。
にもかかわらず・・そんなことをすっかり忘れて観に行ってしまいました。 あらすじを知らずに観てしまったということではなく、余命設定があると知ってたのになんとなくああ沁みそう・・って。

案の定、案の定でした。いや、そりゃ泣きましたよ。病気ではなく生きることにフォーカスを当てたと言われればそんな気もするけど、 まあいわゆる余命恋愛映画でした。
ただ、すごくスタイリッシュで鮮やかな映像が綺麗でした。その辺りが邦画の余命系と一味違うのかも。
2021年2月23日(祝)京都シネマにて鑑賞


最後まで読んでいただきありがとうございます。

みなさんも是非映画館へ足を運んで、オススメの映画をCHANNELCINEMA.COMで投票して下さい!

コメントを残す