映画ランキングサイトCHANNELCINEMA.COMの管理人のドミノが2016年に映画館で観た映画のランキングです。ベスト11というとサッカーみたいだけど中途半端にベスト11になった理由は、単純に僕が今年劇場で観た映画が11作品というだけのことです。要するに僕が観たというだけでベスト11にノミネートされます。僕が見ていないというだけで落選です。そんな激しく偏ったランキングですが何かの参考にしていただければ嬉しいです。
11位
ディストラクション・ベイビーズ
監督:真利子哲也
出演:柳楽優弥/菅田将暉/小松菜奈/村上虹郎
勝ち逃げは許さねえ!
柳楽優弥出演作品のランキングを作るために観に行った作品です。半年以上経つけど映画を観た後の衝撃をよく覚えています。・・・つまらなすぎたから。ひたすらケンカする映画です。ケンカの理由なし。あるのかもしれなけど少なくとも僕には分かりませんでした。
ケンカの相手も無差別で、強そうな相手を見つけてケンカを売ってとにかく勝つまで戦い続けるっていうスタイル。主人公はめちゃくちゃ強いってわけじゃなくて、とにかく何度倒されても相手に挑み続ける。
ん?こう書いてみるとちょっと良い映画だったかな?
いやいやそんなことないと思います。結構残念でした。
ついでに言うと映画館も残念でした。京都シネマというミニシアターで観たのですが、スクリーンが本当にミニ。お金持ちのお家だったらこれくらいのサイズのテレビが置いてあるんじゃないか?というくらい小さく感じました。シネコンでも小さいスクリーンの劇場だとがっかりしてしまいます。やっぱり映画はでっかいスクリーンがいいなあ。
10位
任侠野郎
監督:徳永清孝
出演:蛭子能収/柳楽優弥/トリンドル玲奈/中尾明慶
ヤクザになってもいつもの蛭子さん
ディストラクション・ベイビーズに続いて、これも柳楽優弥の映画ランキングを作るために観に行ったのですが、たまたまその時期に蛭子さんにランキング作成のお願いをしていたこともあり、蛭子さんの役者っぷりにも期待して観に行きました。
結果、期待通り!蛭子さんはどこへ行っても蛭子さんでした。演技力が高い役者が脇をがっちり固める中で、蛭子さん(とトリンドル玲奈)はあくまで自分を貫いていました。日本刀もクレープも全く似合ってない。そんなものどっかに置いて麻雀牌を握ってくださいよ!って感じです。
そんな違和感を楽しむコメディ映画でした。
9位
インフェルノ
監督:ロン・ハワード
出演:トム・ハンクス/フェリシティ・ジョーンズ/イルファン・カーン
量より質を・・
ラングドンシリーズはダ・ヴィンチ・コードも天使の悪魔も大好きでした。両方とも原作も読んだし、映画は劇場に観に行きました。で、ラングドンシリーズ第三弾のインフェルノ。下馬評があまりよくないようだけど、ここまでの2つはかなり満足だったので劇場鑑賞しました。
そうですね・・。まあ2時間があっという間に過ぎたのは間違いないです。
でもやっぱり前の2つと比べるとちょっと落ちるかなあ。前2作がキリストの子孫、科学と宗教の対立というテーマだったのに対して、今回のテーマは人口増加問題。ミステリーとしてのスケールがかなりちっちゃくなっちゃってる。
その一方でラングドンが戦う相手の犯罪のスケールは地球規模の殺人計画。ミステリーのスケールと犯罪のスケールが反比例してるんだけど、犯罪の規模を大きくしてもどんどん実感がなくなっちゃうだけで観てるこっちは白けていっちゃうんじゃないかなあ。
8位
バンクシー・ダズ・ニューヨーク
ストリート・アートはストリートにあるべきパブリックアート!
ベツレヘムに旅行に行くまでBANKSYというグラフィティアーティストは知りませんでした。
ベツレヘムにはキリストが生まれたと言われている教会があるので、そこが観光のハイライトだと思っていたのですが、実はBANKSYが残したグラフィティがかなりかっこいいということがわかり、キリスト生誕教会よりもBANKSYに期待してベツレヘムを訪れました。
実際、すごく良かったですねえ。すでに塗りつぶされちゃった絵もあったけど、Flower Thrower(火炎瓶を投げている過激派が手にしているものが実は火炎瓶じゃなくて花になっている絵)はかなり感動しました。この絵はパレスチナ自治区のベツレヘムの壁に描かれているから意味があるんですね。この壁を切り取ってニューヨークのギャラリーに置いたら全く意味がないです。
本作品の中でも言われているように、グラフィティはパブリックアート。誰もがタダで鑑賞できるもので、その場所にあることに意味があるんだと思います。BANKSYのクールさとそれに熱狂する人たちの滑稽さに皮肉を感じます・・。
7位
SALAD DAYS サラダデイズ
監督:スコット・クロフォード
出演:イアン・マッケイ/ヘンリー・ロリンズ/ブライアン・ベイカー
全員STRAIGHT EDGEなら、それはパンクロックじゃなくてモンクロックだ!
学生の頃、ハードコアが大好きでした。STRAIGHT EDGEについても、僕は酒も弱いし、喘息持ちでタバコも吸わないナチュラルSTRAIGHT EDGEだったのでなんとなく共感してました。でももちろん歌詞の意味とかはよく分かってなくて、単に音楽が好きなだけの完全にファッションハードコアでした。
日本のモヤシっ子の僕と違って、ハードコアの本場アメリカで虐げられた人々が社会に対する憤りとかをぶちまけてる姿を想像しながらこの映画を観に行きました。
ところが、DCでは意外にも裕福な人たちがハードコアに走ったらしいです。だからこそSTRAIGHT EDGEという優等生的な考えが生まれたんでしょうね。
当然、そんな優等生になりきれないパンクスも多数。
「全員が酒もタバコもドラッグもやらなかったら、そりゃあパンクロックじゃなくてモンク(坊さん)ロックだろ」
って言葉に妙に納得しました。ああしろ、こうしろと人に指図されるのが嫌な人たちがパンクをしているのに、説教じみた音楽になっていくことに違和感を感じる人も少なからずいたようです。そんな実態がちょっとだけ分かって良かったかな。
あとエモ・コアという言葉がすでに80年代に存在していたということが意外でした。発音はイモ・コア。Eを「エ」と発音するのはローマ字読みなんだなーと一人で感心した次第。
ちなみに封切り2日目で1日1回の上映にもかかわらず観客は僕を含めて3人。全員40代以上のおっさんです。まあそんなもんですかね。
6位
続・深夜食堂
監督:松岡錠司
出演:小林薫/池松壮亮/キムラ緑子/多部未華子
鈴木常吉の「思ひで」を爆音で聴くということ
今まではこういう作品はDVDになってからみればいいやと思っていたのですが、今年は気になった映画はできるだけ映画館で観ることにしたので行ってきました。「こういう作品」というのは、物語の起伏が穏やかで淡々と進行していくお話です。大画面や大音量の迫力が必要なわけでもない。家のテレビで観ても映画館で観ても、感動は同じだろうと思ってました。
でも、実際はかなり違いますね。やっぱり集中できるからかな?前作に引き続きじんわりくる感動作品なんだけど、家のテレビで観た前作よりも良かったように思います。
同じように考える人が結構いるらしく、映画館はなかなか人が入ってました。地味だけど良い映画です。
5位
ストレイト・アウタ・コンプトン
監督:F・ゲイリー・グレイ
出演:オシェア・ジャクソン・Jr/コーリー・ホーキンズ/ジェイソン・ミッチェル
事実は小説よりも奇なり・・
恥ずかしながらイージーEが亡くなっていたということを知りませんでした。高校の頃にHIPHOPが流行った時はすでにN.W.A.は解散していて、アイス・キューブやドクター・ドレは人気があったんだけどイージーEはイマイチだったように思います。
まあ、そんなこともあってこの映画は最初から最後まで楽しめましたねー。ライブシーンも最高にカッコイイし、物語としても事実と思えないほど秀逸。
ちなみに・・イージーEは他殺されたという説があるらしいです。なんと鍼治療の鍼にHIVウィルスが塗られていたとか!まあもちろんあくまで噂ですけど。そんな噂が出回るなんて、それだけレジェンドな人だったってことですね。
4位
君の名は。
宮崎駿を超えたか!?
昔、Mr.ChildrenがElvis Costelloっぽい歌(シーソーゲーム)を発表した時に、桜井さん本人がコステロに影響を受けた(もっと言うとパクった)とはっきり言ってました。それを聞いた僕は、なんだパクリなのかとは全然思わずに、むしろコステロっぽい曲を作ろうと思って作れちゃうなんてスゲーなって感心したもんです。
で、君の名は。(「。」を忘れずに)のRADWIMPSにも全く同じことが言えて。2年くらい前から僕はBUMP OF CHICKENが好きなんです。2年だからまあファン歴は浅い。そんな浅いファンの僕は君の名は。の曲を聴いた時に、ああBUMP OF CHICKENがテーマ曲を歌ってるんだって思いました。双方のファンの間ではとっくの昔から言われてることらしく、かつお互いのファンからすれば「全然違う」らしい。
でも、浅いファンからしたらそっくりです。いや、だから悪いと言いたいんじゃないです。RADWIMPSがBUMP OF CHICKENに影響を受けたかどうか知らないけど、まあ十中八九好きなんでしょう。で、その好きなバンドっぽい曲を作ろうと思ってホントに作っちゃうなんてスゲーなって、コステロ風ミスチルを聴いた時と全く同じことを思いました。
RADWIMPSのPVみたいな映画だという批判も目にしたけど、だったら何?って感じですね。歌も映画もすっごく良かった。泣きました。
3位
レヴェナント:蘇えりし者
監督:アレハンドロ・G・イニャリトゥ
出演:レオナルド・ディカプリオ/トム・ハーディ/ドーナル・グリーソン
ハードコア版「北の国から」!
テレビドラマの「北の国から」が大好きでした。黒板五郎一家が北海道の厳しい自然の中でたくましく生き抜く姿を描いたドラマです。
そんな「北の国から」で描かれた自然の厳しさを10倍くらいに表現したのがこの映画。そこまでしないと生き残れないのねえ・・・。
自然は時に人間に厳しかったり、時にとてつもなく美しかったり。ストーリーなんてどうでもよくなるくらいの自然の偉大さを突きつけられます。
あとは何と言ってもレオ様の演技。このレヴェナントでアカデミー主演男優賞をとったんだけど、意外なことに初受賞だそうです。
これでオスカー取らなきゃウソだろうというくらいの演技です。
これだけでも必見です。もう遅いけど映画館で見て欲しいです。名画座的に再上映があったら見逃さずに!
2位
ローグ・ワン/
スター・ウォーズ・ストーリー
監督:ギャレス・エドワーズ
出演:フェリシティ・ジョーンズ/ディエゴ・ルナ/ドニー・イェン
スター・ウォーズ エピソード3.99・・ではない。
平日だったけど仕事を投げ出すように会社を出て公開初日に観に行きました。つい1時間前に見終わったばかりで興奮気味でこの記事を書いています。正直予告編を見てもイマイチテンションが上がってこなかったんだけど、結局は大満足。
本作品はエピソード3と4の間というか4の直前の物語。だけども決してスター・ウォーズエピソード3.99ではないんですね。あくまでスピンオフ。
まだ公開されたばかりだからこれから観るって人も多いと思うので、できるだけネタバレしないように内容には触れないけど何度か
「あー、やっぱりこれはスピンオフなんだな」
ってちょっと寂しくなったり、ややがっかりするところもありました。
だから、本流のスター・ウォーズよりは落ちる部分は正直ある。でもスターウォーズが面白すぎるので、多少落ちたとしてもかなり良い映画に仕上がってます。
それどころか、いつものスター・ウォーズと違うからこその良い部分もたくさんあります。良い意味でアメリカ映画っぽくないというか。
当日券があっさり買えたので案外人気がないのかなと思ったけど、なんだかんだで上映開始時にはほぼ満員で、外国人も多数。外国人が多かったせいか終了時には拍手が起こってました。満足してる人が多かったと思います。ということで次はエピソード8ですね。
待ち遠しい!
1位
シン・ゴジラ
日本人なら必見!
かなり期待してたので封切り後すぐに観にいきました。当日券の残席がわずかで仕方なく最前列の席で観たんだけど、ほぼ垂直にスクリーンを見上げる姿勢が2時間も続いて首が折れるかと思いました。これで他の席と同じ値段とか全く納得いかない。これだけ悪席なら500円くらい値引きしてくれないと割が合わない。まあそれだけ大人気だったということなんだけど、追いかけるようにして「君の名は。」が公開されちゃったので、ちょっと霞んじゃったかなあ。
かなりいい映画だけにもったいない。
ゴジラという現実離れした存在が実際に現代の日本に出現したらどうなるのかということをかなりリアルにシミュレーションしている映画です。怪獣映画の割には政治家や研究者の会議のシーンが多いので海外の評価がイマイチだという話も聞いたけど、それで良いんです。
いくらグローバリゼーションの世の中といったって、なんでもかんでも世界でウケる必要なんてない。これは日本を愛する日本人のための映画だと思いました。だから海外の人があんまり観てくれなくても良いけど、日本人は全員見るべし。
日本のダメなところと素晴らしいところが良く表現できてるなーって感動しましたね。続編あるかな?楽しみにしてます。タイトルはニュー・シン・ゴジラで。
いかがでしたか?2016年の映画界は豊作だったように思います。来年もたくさん映画を観てみなさんに良い映画をオススメしたいと思います。
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それではみなさま良いお年をお迎えください!