2018年下半期映画ランキングベスト24!

半年に一度、CHANNELCINEMA.COM管理人の私が観た映画のランキングを発表しています。映画を観るごとにランキングを更新していきますので、このランキングを参考にして一人でも多くの方が映画館に足を運んでいただけると嬉しいです。そして良かった!と思える作品があれば、CHANNELCINEMA.COMでその作品に投票して感想を書いていただければ幸いです。それでは、2018年下期の映画ランキングをどうぞ!

1位
ボヘミアン・ラプソディ

監督:ブライアン・シンガー
出演:ラミ・マレック/ルーシー・ボーイントン/グウィリム・リー

さあみなさんご一緒に、ドンドンパッ!ドンドンパッ!

高校の時にフレディ・マーキュリーが亡くなって、クラスメイトがワーワー騒いでいてQueenというバンドを知った。最初はクラスでも知ってる人は少なくて、そんなに良いバンドなの?じゃあCD貸してよという感じだったのが、あっという間に広まってちょっとしたブームになった。
クセが強いバンドで、それこそ映画のタイトルのBohemian Rhapsodyのオペラの部分は賛否が分かれた(オペラさえなければ最高なのにという意見が多かった気がする)。でも多少変わっていても、とにかくQueenの魅力はフレディの歌唱力と力強いパフォーマンス。あのマッチョなスタイルはスポーツとシンクロしやすくて、ワールドカップやチャンピオンズリーグの決勝で聴くWe Are the Championsは定番になった。十年以上前になるけど、マンチェスターでチャンピオンズリーグ決勝を観た時に聞いたWe Are the Championsは格別だったなあ。
ということで熱狂的なファンというわけじゃないけど、青春時代に好きだったバンドの映画なのでかなり楽しみにしておりました。
唯一の懸念は、クイーンの名曲をずらっと並べただけのミュージックビデオ的な映画になってしまうんじゃないかってこと。
・・・結果からすると、まあそうとも言える作品なのかもしれない。勝手に人格者だと思い込んでいたフレディが思いの外ぶっ飛んだ男だったってことが意外だったくらいで、物語は概ね想像通りに進んで終わります。
・・が、それでも2018年下半期1位です。名曲を並べただけの映画だったとしても、名曲が素晴らしすぎるのでそれだけで涙が出てくるのです。
迷った挙句IMAXにして本当に良かった。これから観に行く人はIMAXで観ることをオススメします。

ちなみにLady GaGaはQueenの名曲Radio Ga Gaが由来とのこと。そのLady GaGaの歌唱力も聴いているだけで涙が出るほど素晴らしい。そしてLady GaGa主演の「アリースター誕生」が12月に公開になります。
これまた楽しみだあ!
2018年11月10日(土)鑑賞

2位
バーバラと心の巨人

監督:アンダース・ウォルター
出演:マディソン・ウルフ/シドニー・ウェイド/ゾーイ・サルダナ

実は月を救ったことがあるというバーバラの逸話を一度真剣に聞いてみたい

いやー、実に良かったです。
2018年のベストは上半期1位のスリー・ビルボードかこのバーバラと心の巨人のどちらかだなあ。この映画のどこに感動したかということを書くことはすなわちネタバレになってしまうので、
「何はともあれこの映画を観るべし。話はそれからだ!」
以上。

・・・で終わるのはさすがにレビューにならないので、ネタバレしない範囲で感想を。
「心の」というからには「巨人」は主人公バーバラの空想なんだろうと見当をつけていたものの、バーバラの信念があまりにもガチで本格的であるために、あれ?もしかして実は巨人は本当にいましたとか、バーバラの信念が現実のものになりましたとかそういうファンタジー方向に展開していくのか?という迷宮にはまっていきました。その迷宮をさまよう時間が長い。長いからこそそこから抜けた時の感動が・・・。
もちろんその巨人の結果は書きませんので是非ともなる早で映画館へ行ってください。

ということで、最も心を揺さぶられたところは書けないけど、じんわり良かったのが荒唐無稽なことでも信じてくれる(あるいは付き合ってくれる)友人の存在。なぜこのタイミングで転校生が現れたのか。なぜ何の前触れもなく嵐が来たのか。そういうことをあれこれ妄想してみるのがこの映画の正しい楽しみ方のような気がします。バーバラにあやかって。
2018年10月13日(土)鑑賞

3位
500ページの夢の束

監督:ベン・リューイン
出演:ダコタ・ファニング/トニ・コレット/アリス・イヴ

人にやさしく

妹のエル・ファニングの出演映画はこの1年で3,4作観たけど、姉のダコタ・ファニングはとんと見かけない(オーシャンズ8はチョイ役すぎて、鑑賞中は気付かずにパンフで出演していたと知りました)。
そうか、アイ・アム・サムの天才子役は伸び悩んだ挙句、脇役俳優に成り下がってしまったかと悲しくなってから間もなくこの主演作が公開されました。
余計なお世話ながらもお姉ちゃんも頑張れ!と応援する感覚で鑑賞。
結果、ただの最高傑作でした。お姉ちゃんは僕に応援されるまでもなく頑張ってました。いわゆる爽やかな感動ロードムービーなんでしょとガードを緩めていたせいか、割と序盤ですでに号泣。

人はみんな優しさのバケツみたいなものを持っていて、そのバケツが大きい人は優しい人で小さい人は冷たい人ってことになるのかもしれない。でも、バケツは大きくてもその「優しさバケツ」を家族とか親友とか身近な人に使って、他人には優しくしない人もいるだろうし、経済的な問題だったり、時間的な制約だったりがあって「優しさバケツ」を使ってあげたくても使えない時もあるでしょう。
つまり、人に優しくされなかったとしても、それは必ずしもその人が冷たい人ってわけじゃない(優しくされない自分に問題がある場合もあるだろうし)。
裏を返せば、人に何かしてあげたくても、そうしてあげられないという辛さもあるんですよね。

主人公ウェンディの姉は、最愛の妹が一緒に連れて帰ってほしいと泣いて懇願しているのに、そうしてあげられない。意地悪なんかじゃない。できるものなら妹専用の大きな優しさバケツを使いたい。でも自分の家庭も大切。胸が張り裂けそうな思いで、大きな優しさバケツをしまうしかない。
愛する人が望むことを叶えてあげられない辛さは、多かれ少なかれ誰しも知っているのではないでしょうか。できるものならそうしてあげたい。でも色々な事情があってその望みを叶えてあげられない。
だから、「優しさバケツ」を使ってくれない人を冷たいと非難するのは違うのかもしれない。
一方で思いもよらない人が「優しさバケツ」を使ってくれることもある。人とのコミュニケーションが苦手なウェンディでも、多くの人が大小様々な「優しさバケツ」を使ってくれるし、ウェンディ自身も少しずつ自分の「優しさバケツ」使っていく。

人に優しくしましょう!みたいな説教臭い感じじゃない。人の優しさって本当に素敵だし、大小の違いはあれど人はみんな「優しさバケツ」を持っていて、優しくしてくれなかったからって、その人が優しくない人ということじゃないんだって自然と気づかされた感じ。終盤に出てくる融通が利かない郵便係ですら意地悪な人とは思えなくなっていました。
多分演出の意図は違うんだろうけど、それほどすごくポジティブな映画。主人公が自閉症だというのは些細な点だというダコタ・ファニングの意見に同意します。自閉症の女性が旅に出るというのは単なるあらすじであって、人の優しさについての映画です。パンフの解説では全然そんなこと書いてないけど、少なくとも僕はそう思いました。
まだ公開されたばかりなので、是非映画館でこの映画を観て人の優しさに触れてください!

2018年9月15日(土)鑑賞

4位
ブエナ・ビスタ・ソシアル・クラブ★アディオス


監督:ルーシー・ウォーカー
出演:オマーラ・ポルトゥオンド/マヌエル・“エル・グアヒーロ”・ミラバール/バルバリート・トーレス

ピンピンコロリの理想形

1999年のドキュメンタリー映画「ブエナ・ビスタ・ソシアル・クラブ」の続編ですが、その1作目を観てないし、そもそもドキュメンタリー映画っていうのが退屈そうだけど、今度の年末にキューバに旅行することにしたので事前調査を兼ねて観に行きました。非常に良かったです。1作目を観てなくても全く問題ないし、ドキュメンタリーにありがちな抑揚のない退屈な感じもなし。

死ぬ間際まで音楽活動を続けるブエナ・ビスタ・ソシアル・クラブのメンバーの姿は人生の理想形なんじゃないか。メンバーの多くは貧困であることを口にする。確かにキューバは物質的には豊かではなさそうだ。でも笑顔があふれていて不幸には見えない。みんな健康で長生きだし。
モノが無くても笑顔でいられる理由の一つが音楽なのでしょう。女性ボーカルのオマーラは言う
「人の命は奪えても、歌うことは奪えない」
ブラジル人にとってのサッカーみたいなものなんだろうけど、国民がそういう文化を持っている国は幸せだと言えるんじゃないでしょうか。ギタリストのコンパイ・セグンドは90歳を超えてもなお自分の音楽に自信を持っていて、チューニングで揉めた時には
「俺が正しい。機械の方が間違っている」
と言い切ります。モノではなく人間が主役なんですね。日本とはかなり異なる価値観がありそうです。年末に行って実際にそれを感じてきたいと思います。
2018年7月28日(土)鑑賞

5位
カメラを止めるな!


監督:上田慎一郎
出演:濱津隆之/真魚/しゅはまはるみ

お金がなくてもアイデアがある

インディーズ作品ながらも、口コミで評判が伝わって大ブレイクしている作品。ようやく観ました。大きめの劇場で1日6回上映の最初の回でしたがなんと満席。満席の劇場で観たのはシンゴジラ以来かな。
もっともシンゴジラは題材も監督も俳優陣も超メジャーなわけで、カメ止めの満員とは事情がまったく違う。カメ止めは監督も俳優も知らない人ばかり。ジャンルだってゾンビ映画らしいという程度しか知らない状態で行きました。結果的にそれが正解だったように思います。
インディーズ品質に対する疑いもあり、序盤は諸々「おいおい本当に大丈夫か?」という不安や苛立ちがつきまとっていたけど、見事にそう言ったネガティブな感情は全て回収されました。インディーズであるということがこの作品の面白さを増幅させています。300万円という低予算なのに素晴らしい映画という評価も聞いたけど、むしろ低予算だからこそこんなに良い映画になったんじゃないかな。
どう面白かったかを語るだけでネタバレになるので、とにかくあまり情報を入れずに観に行ってくださいとだけお伝えします!
2018年8月15日(水)鑑賞

6位
アリー/ スター誕生

監督:ブラッドリー・クーパー
出演:ブラッドリー・クーパー/レディ・ガガ/サム・エリオット

人を愛したら忘れちゃいけないこと

今年最後の劇場鑑賞作品です。
こないだ観たボヘミアン・ラプソディが期待の遥か上を行く出来だったので、おのずとこのスター誕生に対するハードルも上がります。
レディ・ガガの歌唱力は現役歌手では一番だと思ってるので、ボヘラプばりのライブ感を期待していざ鑑賞。

結果・・
レディ・ガガの歌はやっぱり凄かった。
曲もめちゃくちゃ良かった。
スターが誕生していく様は安っぽかったけど、やっぱりスターダムにのし上がる過程は観ていて単純に気持ちがいい。

・・だがしかし!この映画の素晴らしさはそこじゃない。いやまあそこも充分素晴らしいんだけど。
僕にとってこの映画は音楽映画ではなく夫婦の愛を描いた映画でした。
2時間超えのやや長尺の間には、二人のイチャイチャが勘弁してくれってくらい描かれてたけど、それがボディーブローのように効いてたんでしょうね。結局えらい泣いちゃいましたよ。

あなたが愛してやまないその人は、あなたと同じようにとってもあなたを愛してますよ。
だからまずあなたが幸せになることが、愛する人を幸せにするってことなんです。
それを忘れちゃいけない。
そういうことに気づかせてくれました。期待していたところと全然違うところで大感動。
いい作品で2018年を締め括れました!

2018年12月24日(月)鑑賞

7位
スターリンの葬送狂騒曲


監督:アーマンド・イアヌッチ
出演:スティーヴ・ブシェミ/サイモン・ラッセル・ビール/オルガ・キュリレンコ

僕らは彼らの滑稽さを笑えるか?

こういう映画をブラックコメディと言うのでしょう。何度も笑ったけど映画館を出るときは「いやー、面白かったなー」という爽やかな気分ではなかったです。

この妙な後味の悪さの理由は、非道な政治家の行いのせいで人がたくさん殺されていたからだと最初は思いました。でももう少し考えてみるともう一つ理由がありました。
それはスターリンの死後の権力争いをしている登場人物たち滑稽さを笑っていたからだと思います。彼らの行いは、端から見ているとバカバカしいことが多々あって、まさに滑稽という言葉がぴったりくる。でも必死に生きている人って多かれ少なかれ誰もがそうなんじゃないですかね。サラリーマンが上司におべっか使ったり、ママ友の輪から外れないように悪口井戸端会議に参加したり、っていうのは端から見ると実にバカバカしい行為でしょう。一流のサッカー選手だって、見方を変えればなんであんなに必死にボールを追いかけてるのかってバカバカしく思える人もいるでしょう。

権力争いなんかせずにもっと国民のことを考えて行動すればいいじゃないかと言うのは簡単。
でもそれは、上司にゴマをするサラリーマンに向かって「人に従わずに自分がトップになればいいじゃない」って言うのと同じ。その人にはその人なりのそこから抜け出せない事情がある。その世界の中で必死にもがくしかない。

スターリンの恐怖政治の直後で誰も信じられない中、時には姑息な方法や非道な行いによって必死に生き抜こうとする滑稽さを笑ってしまった後に心に浮かんだのは、自分の人生はどうなんですか?という思いでした。その問いかけが心にひっかかって後味の悪さにつながったのかなと思います。
ま、もちろん普通の人は必死に自分の人生を生きてるからといって、大勢の国民を苦しめたりはしないですけどね。
2018年8月5日(日)鑑賞

8位
泣き虫しょったんの奇跡

監督:豊田利晃
出演:松田龍平/野田洋次郎/永山絢斗

「負けました」の言葉に隠された激情を・・

ダウンタウンの浜ちゃんがサッカーを好きじゃない理由は「わびさびが無いから」だと言ってました。サッカー派の僕はもちろんサッカーにわびさびが無いとは思わないけど、「わびさびが無いから」興味を持てないというのは凄くよくわかります。
スポーツ選手は元を正せばは赤の他人なわけで、何かしらの物語を感じて共感しないと応援なんてできない。浜ちゃんが言った「わびさび」というのは、キレッキレのプレーだけじゃなくて人間性だとか背景を含めて応援したいってことで、サッカーにはそれが感じられないってことでしょう。
そこんところへいくと将棋というのはわびさびの塊のようなもの。わびさびが最も炸裂するのは棋士が「負けました」と頭をさげて対局が終わる時。勝ちに飢えている自分に自分で負けを宣言する・・こんな競技って世界中にありますかね?実に日本的なわびさびかと。
勝った棋士は勝った棋士で、勝利の雄叫びをあげるでも無く、喜びをぐっと堪えて「ありがとうございました」とこちらも頭を下げる。ぱっと見ではどちらが勝者なのか分からないくらいに両者ともに感情を抑える。二人の棋士のその静かなやりとりの中に隠された今にも爆発せんばかりの激しい感情。これをわびさびと言わずしてなんと言いましょう。
だからこそ将棋は見た目は地味なのに、多くの漫画や映画の題材になってきたのでしょう。将棋のルールを知らなくてもそのわびさびには感動できますから。

そういうわびさびネタは大好きです。
しかも青い春(原作も映画も大好き)の豊田監督と松田龍平コンビ。他の俳優陣もいい役者が揃ってる。
かつ、いくつになっても夢を諦めるなという竹原ピストル(大好き)的なテーマもあり、古い体制に風穴をあけるというパンク(大好き)スピリッツもあるということで大好物のオンパレードな作品でした。
ただ、原作者の瀬川晶司さんの意に反してしまうけど「諦めなければ夢は叶う」というのはまあそうはそうなんだろうけど、ちょっと違和感あり。
ピッタリくるのは「諦めなければ、成功は保証されないけど成長は保証される」って言葉ですね。
これ、本田圭祐の言葉です。ほら、やっぱりサッカーにもちゃんとわびさびがあるでしょ。

2018年9月24日(祝)鑑賞

9位
ジョニー・イングリッシュ アナログの逆襲

監督:デヴィッド・カー
出演:ローワン・アトキンソン/オルガ・キュリレンコ/ベン・ミラー

当の本人はいたって真剣です

この映画に期待していたのはただひたすら90分笑わせてくれることだけ。観終わったらどこで笑ったかも忘れてしまうくらいのくだらない笑いがあれば充分でした。この映画から何かを得ようなんてこれっぽっちも思ってなかったのに、良い映画を観たなあという爽快な気分にさせてくれました。
期待通り思い切り笑わせてもらったんだけど、それにとどまることなく主人公ジョニー・イングリッシュは「こういう男でありたい」と思わせてくれる素敵な男性でした。
どう素敵かというと
・当の本人はいたって真剣
・神様に愛されてるとしか思えないほど強運
・将来の心配や過去の後悔と無縁
・還暦過ぎてもオシャレで愛用の時計はIWC
・仕事をクビになれば人並みに落ち込む
・どっから湧いてくるのかその自信
・踊っても凄いんです
・正義と勇気が友達さ
本人はいたって大真面目なのにお間抜け具合が笑えてしまうという魅力と、実は正義感があって仕事に一生懸命なんだということが垣間見えてちょっとグッときた。ちょっとだけだけど。

ただし前2作ほどではないにしろ忘れてはいけないこととして、
・皆様に多大なるご迷惑をおかけする
という人物でもあるので、本当にジョニーのようになりたいのかと問われると、ファイナルアンサーとしてはやっぱり遠慮いたしますということになろうかと思います。
2018年11月24日(土)鑑賞

10位
ボーダーライン:ソルジャーズ・デイ

監督:ステファノ・ソッリマ
出演:ベニチオ・デル・トロ/ジョシュ・ブローリン/イザベラ・モナー

そんなに強いならジャイアンと戦おうぜ

主人公がルールなしの暴力を振るう映画は大義名分が必要とされる。ルール無視の暴力を振るうほどの理由があるからこそ、観客は主人公のやんちゃを応援できるわけで、たいした理由もなく暴力を振るう人になかなか共感できない。
家族の仇だとか凶悪な犯罪組織が相手であるというのは映画的にはそれなりの大義名分になるのだけども、どうも違和感が拭えなかったのは本当に倒すべき敵はそいつらなのか?ってこと。

宣伝チラシに書いてあるあらすじの範囲でストーリーに触れると、アメリカでイスラム原理主義者による自爆テロが起こる。で、アメリカ政府はブチ切れてテロリストに報復宣言。
その後テロリストとルール無用の殺し合いが始まる・・のであればすんなり受け入れられるんだけど、何故か矛先はそのテロリストを不法入国されたメキシコの麻薬カルテルへと向かいます。
え、本丸のテロリストを倒すんじゃなくて、テロリストを不法入国させた奴を倒すわけ??
なんだかジャイアンじゃなくてスネ夫をボッコボコにしにいく感覚・・。
という居心地の悪さを抱えて物語が始まるので、主人公のやんちゃぶりがただの誤爆に思えちゃって・・。

前作と比べるとその辺の大義名分感が足りなくてちょっと釈然としなかった。
でも前作が超名作なので多少クオリティが下がったとしても、単独で考えればかなり良い映画です。
・・・あんまり説得力ないですね。
ではもうちょっと補足すると、僕の後ろに座っていた中年カップルの男性は映画が終わった後に
「完璧な映画や・・・」
って目を見開いて呟いてました。そう感じる人もいる良作です。

2018年11月17日(土)鑑賞

11位
万引き家族

監督:是枝裕和
出演:リリー・フランキー/安藤サクラ/城桧吏

今日ここにあなたがいて、私がいるそれが幸せ

サッカー選手の試合後のインタビューでは
「凄くいいパスが来たので、僕はゴールを決めるだけでした」
とか
「今日勝っただけなので、まだなにも成し遂げられていない」
というような決してうかれまいという謙虚な言葉をよく耳にします。ま、確かに仲間に対する感謝や、その先の目標を見失わない姿勢は素晴らしいと思うけど、もうちょっと今を喜んでもいいんじゃないかとも思います。いいパスが来たって自分がシュートしなきゃゴールにならなかったんだろうし、今日の勝利があるからこそその先の優勝も見えてくるんだろうし。そんなことをずっと言ってるとしまいにはワールドカップで優勝しても「いや4年後があるんで浮かれてられないです」とか言いかねない。
今日ゴールを決められたこと、今日の試合に勝ったことをもっと喜ぼうじゃないですかと思うわけです。
この万引き家族の登場人物はそういう意味では凄くその瞬間、瞬間を浮かれて楽しんでいるなあと感じました。保険に入ってないとか貯金がないとか、将来とか万が一の時に対する備えが不足していることはほとんど気にしません。今が楽しければ良いじゃないかと。今日が面白おかしく過ごせれば良いと。といっても「今を全力で生きてる!」というようなカッコイイものではなく、「刹那的」「後先を考えない」という表現が合う気がします。
なのでさすがにこの家族には憧れることはないんだけど、この能天気な要素がちょっとだけあるとみんなもうちょっとだけ幸せになれるのかもなって思いました。

2018年7月7日(土)鑑賞

12位
日日是好日

監督:大森立嗣
出演:黒木華/樹木希林/多部未華子

樹木希林さんのバトンを継ぐものは・・・

9月に樹木希林さんがお亡くなりになっていなかったら、この映画は劇場で観ていなかったかもしれない。僕が樹木希林さんを知ったのがいつだったのかは覚えていないけど、僕が知った時にはすでにおばあちゃんで、強烈な個性を放っていました。個性派俳優の筆頭と言えましょう。
樹木希林さんのとぼけたような語り口調、間の取り方、表情、声が安心感を与えてくれるのと同時に、特別に面白いことを話しているわけでもないのに、面白おかしく感じられる。余人をもって替えがたい俳優さんでした。
樹木希林さんが演じる茶道の先生が初めて登場するシーンでは
「ああ、もうこの人はいないんだ」
としみじみしてしまいました。

そんな樹木希林さんに「この人が主演なら出演を引き受ける」と言わしめたという黒木華。美人の役もできるけど、今回のような地味な女性の役もできるという意味では個性派女優なのでしょうか。樹木希林さんほどの強烈な個性を放つにはまだ時間がかかりそうだけど、樹木希林さんはこの映画で黒木華にバトンを渡したかったんじゃないかな。

映画は茶道を通して日本文化の素晴らしさを伝える地味なものでした。起承転結ということではなく、タイトル通りなんでもない一日一日の積み重ねの映画。ややもすると退屈の一言で片付けられてしまうかもしれない作品だったけど、樹木希林さんがアクセントをつけてくれることでしっかりしたエンターテイメントに仕上がっていました。
ちなみにタイトルは「にちにちこれこうじつ」と読みますが、映画を観る前にパンフを買う時に「ひびこれこうじつ」と言ってしまいました。レジの男の子は全く問題なく売ってくれたけど、劇中で樹木希林さんが大きな声で
「にちにちこれこうじつ!」
と読んだ時に、思い出し赤面してしまいました。(でも美術家のミヤケマイさんも「ひびこれこうじつ」と思っていたとパンフの中のエッセイで書かれていて、あるあるなんだなとわかってちょっと安心)

最後に樹木希林さんのご冥福をお祈りいたします。今までたくさん楽しませてくれてありがとうございました。

2018年10月14日(日)鑑賞

13位
パパはわるものチャンピオン


監督:藤村享平
出演:棚橋弘至/木村佳乃/寺田心

「おいゴキブリ」「なんだギンバエ」って・・よくケンカにならんな。

世界広しと言えどもゴキブリが好きって人はそうそういない。ファーブルくらいになると好きなのかもしれないけど、一般人にとってゴキブリはいわゆる嫌われもん。でも卑劣って言うほどワルじゃないし、新聞紙で簡単にペチャンコにされちゃうので強いってわけでもない。
プロレスのヒールたるもの、単なる嫌われもんじゃなくて、ワルであり強くなくては。昆虫でいうならクモとかサソリ(どっちも実は昆虫じゃないらしい)。
スパイダーやスコーピオンならサマになるけど、コックローチはイカン。しかも相棒は「ギンバエ」ときた。リングを離れたところでもお互いを
「おいゴキブリ」
「なんだギンバエ」
などと呼び合うそのいじけた姿からは暗黒面の誇りらしきものは一切感じられない。中華料理屋裏のゴミ置場なテイストだ。
自分の仕事を子供に認めてもらいたい父親と、父親の仕事を恥じている子供の物語なんだけど、なにもそこまで自虐しなくていいんじゃないかと・・・。でも不思議とこういう過剰な演出や臭いセリフの類いの数々は、忖度してダマされてあげようという気になりました。まさに演出ありきのエンターテイメントであるプロレスのような映画なんだと。多少ブックが強引でもプロレスを楽しもうじゃないかと。
ということで手放しで良かったわけではなく、明らかにこちらから泣きにいったのですが、終盤は号泣。子供に仕事を軽蔑されてしまうお父さんって辛いけど、もろもろめでたしめでたしと。

それにしても「ボクのお父さんはゴキブリマスクなんだよ!」って友達に言いたくないよなあってしみじみ思う。
お子さんがいるのか知らないけど、玉袋筋太郎のお子さんが父親の仕事を理解していく過程もこんな感じなんだろうなあ。お子さんが女の子だった場合、永遠に理解してもらえない可能性もありますな。

2018年10月6日(土)鑑賞

14位
マイ・プレシャス・リスト

監督:スーザン・ジョンソン
出演:ベル・パウリー/ウィリアム・モーズリー/ネイサン・レイン

ニューヨーク式セラピー

ニューヨークな映画というものは
・摩天楼が美しい
・物語に関係なくてもセントラルパークをちらっと見せる
・アパートの非常階段で物語が展開される
・アパートの隣人がキーパーソン
・セラピーを受けてる
・足を机の上に投げ出したりとだいぶ横柄な態度でセラピストの話を聞いている
・確かにあなたはお客さんだがもう少し姿勢を正してセラピストの話を聞いたらどうだろうか
大体そんな感じですかね。
そんなニューヨーク映画の魅力があますところなく表現されている本作。とりわけセラピーの魅力がたっぷり。
住んだことも行ったこともないけどニューヨークってところは、セラピストの世話になる人がそんなにも多いんですかね。
自分一人でもがき苦しんで答えを探すのではなく、答えを知ってるプロに手っ取り早く答えを教えてもらおうってことでしょうか。
セラピストもタイムチャージ制で効率良く診察しなきゃいけないから対応が合理的。やることリストを渡して、それをこなしていくと悩みが解消するという治療法。そんなに簡単に性格や生き方は変わらないだろうし、都合よくお隣にイケメン芸術家は住んでないだろうとも思うのですが。

ま、でもそんなあらすじを割とすんなり受け入れられたのは、主役のCARRIE PILBYを演じるベル・パウリーによるところが大きい。カワイイのかブサイクなのか判別不能だけど魅力的な顔であることには間違いない。
原題が「CARRIE PILBY」っていうだけあってとにかく全てのシーンに主役のCARRIEが登場するもんだから、この映画を楽しめるかどうかはベル・パウリーを好きになれるかなれないかにかかってる。
完全な美形ではないけど、愛嬌があって応援したくなる顔なんで、セラピーがくれたリストが多少雑でも応援できました。
2018年10月20日(土)鑑賞

15位
ジュラシック・ワールド/炎の王国


監督:J・A・バヨナ
出演:クリス・プラット/ブライス・ダラス・ハワード/イザベラ・サーモン

クローン恐竜だって生きている

新ジュラシックパーク3部作というべきかジュラシックワールド3部作というべきか分からないけどともあれ3部作の2作目です。前作は飛行機の小さいモニターで観てしまい、トカゲサイズのT-REXがあまりにも迫力不足だったので今作は映画館で鑑賞。おかげで大迫力のインドミナス・ラプトルを堪能できました。
今作の終わり方からすると次作のテーマは「恐竜と人間の共存」みたいな感じになりそうです。恐竜と人間が共存するのはさすがに無理だろうと思ったけどよくよく考えてみると、マイアミって恐竜と人間が共存しているようなものなのかもしれない。年に数人がワニに食べられてしまうけど、ワニを駆逐するとか、人間がマイアミから出ていくということにはならずにワニも人間もマイアミに住み続けているわけだから。もっと言えば知床ではヒグマと人が共存してるし、オーストラリアではホホジロザメが出没する海でサーフィンする人がいる。
いずれも時々人が亡くなってるわけだから対策が万全とは言えない。クマよけの鈴を鳴らすなり、シャークバンドをつけるなりのできる限りの対策をして、最後の最後は自分だけは大丈夫だろうと信じこむことが共存のキモと思われます。そうすればT-REXだろうとラプトルだろうと怖くない。何しろ自分だけは大丈夫なわけだから。

2018年8月25日(土)鑑賞

16位
ハン・ソロ


監督:ロン・ハワード
出演:オールデン・エアエンライク/ウディ・ハレルソン/エミリア・クラーク

スター・ウォーズ品質ではないものの、フツーに楽しいSF映画

135分という長すぎるわけでもない上映時間を「長い」と感じてしまったのは、あまり楽しめなかったからなんだと思います。「最後のジェダイ」のような憤りや落胆はなく、普通のSF映画としてはそこそこ楽しめたものの「スター・ウォーズ」のハードルはクリアできなかったのかな。スピンオフだからジェダイやフォースが出てこないのでスケールダウンするのは仕方ないとしても、スケール感が小さかったように思います。広大な宇宙が舞台とは思えないほど世間が狭い。
ちょっと話が飛びますが、京都に住んで10年経ちます。ここでは月に1,2度の頻度で休日に会社の人に偶然出くわします。京都はそこそこの都会だけどそれでもやっぱり小さな街だなあと思うわけです。東京で働いていた時は休日に会社の人に偶然会ったのは10年間で1回だけです。1,300万人の人口の街だと偶然人に出会う確率というのはそれくらいの確率なわけなのです。そろそろハン・ソロに話を戻します。そんなに重要なところでないのでややネタバレ承知で書きますが、若きハン・ソロは広い宇宙である人を探すのですが、実にあっさりと偶然見つかります。この偶然感が、フォースがもたらす神通力のように感じられたらよかったんだけど、単に東京よりも狭い世界に思えてしまいました・・・。
普通のSF映画としては普通に楽しめる作品ですが、今後もディズニーが作るスター・ウォーズには「嫌な予感がする」・・・。

2018年7月14日(土)鑑賞

17位
search/サーチ

監督:アニーシュ・チャガンティ
出演:ジョン・チョー/デブラ・メッシング/ミシェル・ラー

Facebookにある秘密のFaces

頑なにFacebookを使わない会社の後輩がいます。その理由は
「人は、家族、恋人、友人、会社の上司や部下に見せる色々な顔を持っているわけで、これらの人に一つの同じ顔を見せるのは居心地が悪いから」
なんだそうな。確かに友達とのおふざけのやり取りを親や仕事関係の人に見られるのはあまり気分が良くない。人格が変わるわけじゃないし、知られて困るようなことをしでかしているわけじゃないけど、この人には入ってこないでほしいという世界がいくつかあるのは当たり前のこと。
家族であればなおさらでしょう。家族というものは一番自分をよく知っている存在でありながら、家族だからこそ見せたくない顔がある。だから家族というものは実はお互いをよく知らない関係なのかもしれないですね。
家族のSNSを覗き見すれば、自分の知らない家族の姿を見ることでしょう。必ずしも良い発見ばかりじゃないと思います。
100%PC画面の映像で展開していくこの映画。その斬新な手法で現代人が皆理解しているちょっと辛いそういう現実を舞台に、それでも家族というものは・・ということを描いた作品でした。
ま、なんかそれなりにレビューっぽく書いたけど、身も蓋もない言い方をすると期待していたほどには面白くなかった・・(笑)
2018年11月4日(日)鑑賞

18位
食べる女

監督:生野慈朗
出演:小泉今日子/鈴木京香/沢尻エリカ

退屈のなかの大切

6月にロシアに行って日本対ポーランドを観戦しました。物議を醸した例のダラダラとしたボール回しを見せつけられた時は、わざわざロシアまで来たのになんて退屈な試合なんだろうと実にがっかりしたもんです。
この映画はそのポーランド戦に似た退屈さと憤りを感じました。なんだこの抑揚の無さは・・もっとリスクを冒して点を取りに行ってくれよと・・。半ばを過ぎたあたりでこの映画に山だとか谷だとかを求めるのはお門違いだと悟ってからは、早く終わってくれと祈りながら観ていました。早く終わるもなにも物語らしい物語は始まってすらいなかったんだけど。

ということで、面白いか面白くないかでいうと、ポーランド戦も食べる女もはっきりと後者。でもポーランド戦は、試合後にあの選択の是非を問う議論が盛んに行われて僕自身も色々考えさせられました。試合そのものは決して安くないチケット代に見合う試合内容ではなかった。でもその後にたくさん考えさせられるネタを提供してくれたという点では価値のある試合でした。
食べる女も同じ。映画は実につまらない。ロスタイムなんかもう1秒もいらないからとっとと審判に終了の笛を吹いてもらいたいくらいつまらなかった。でも「食べる」ことを丁寧に楽しむことで幸せを感じられるということを考えさせてくれました。
それと「女」についても。#MeToo運動に象徴されるように、女性活躍の重要性が世界中で叫ばれている中で、ハリウッドではオーシャンズ8が公開さた。綺麗な女性達がメット・ガラで豪華に着飾って世界一の宝石を盗むというストーリー。ハリウッドは文字通りハリウッド的な大味な味付けで女性の幸せを描いた一方で、我が国日本では女性の幸せは「食べる」ことにありと言っています。そしてそれは女性に限らず男性も同じでしょと言ってくれています。派手さはなくても深いんです。
ということで少なくともオーシャンズ8よりは上の順位であれと。エンターテイメント性ははるかに及ばないんだけど。

2018年9月22日(土)鑑賞

19位
オーシャンズ8


監督:ゲイリー・ロス
出演:サンドラ・ブロック/ケイト・ブランシェット/アン・ハサウェイ

アン・ハサウェイが超絶美しい!良くも悪くもそれに尽きる

# MeToo運動の中心的な人物だという女優アーシア・アルジェントの若手俳優に対する性的暴行疑惑のニュースを聞いた時、アーシア・アルジェントという女優を知らなかったので、ネットでお顔を拝見したところ、失礼ながらあまり美人には思えませんでした。
これがもし若手俳優の相手がアン・ハサウェイであったなら、若手俳優が18歳未満だろうと、どんな恥ずかしいプレイを強要されようと、感謝こそすれ性的暴行されただなんて訴えは起こさなかったんじゃないですかね。
おふざけ半分でかなりセクハラなことを書いてるけど、それくらいアン・ハサウェイが美しいってことです。
このオーシャンズ8もその一言に尽きる。とにかくアン・ハサウェイが美しすぎる!この美貌を大きなスクリーンで拝めるだけで1800円の価値がある。
良くも悪くもそれが全て。盗みの仕掛けのスマートさとか意外性とかほぼ皆無です。それでもまあ良しとできるくらいにアン・ハサウェイが超絶美しい。
ただ、女性の素晴らしさ、美しさ、強さを強く意識した作品であるのに、この映画が表現している女性の美しさがとても古典的ではないですかね。一番綺麗な人は白人、2番手、3番手も白人、黒人はクールでカッコイイ、インド人はちょっとお茶目、そしてアジア人は相変わらずちんちくりんな変わり者。
いや、僕は全然それで良いんです。アン・ハサウェイ綺麗だなー、サンドラ・ブロックもまだまだ綺麗なんだなー、ケイト・ブランシェットはカッコイイなー、で十分楽しいですから。でもこの映画は、男性がそういう目線で女性を見る世の中を変えようとしている# MeToo運動的な女性のための映画なんだと思うのですが。

2018年8月16日(木)鑑賞

20位
ウインド・リバー


監督:テイラー・シェリダン
出演:ジェレミー・レナー/エリザベス・オルセン/ジョン・バーンサル

アメリカ国民必見

「成功しようが失敗しようが作らなければならない映画だった」というコメントからもわかるように、アメリカにおける「見過ごされた世界」をどうしても伝えたいというテイラー・シェリダン監督の強い意志を感じる映画でした。おかげでネイティブアメリカン保留地という見過ごされた世界を知ることができました。白人がアメリカ大陸を侵略した時代が終わり、ネイティブアメリカンは保護されているものだとばかり思っていました。ところが、雪と静寂しかない土地に、雪と静寂以外は全て奪われて先住民が追いやられたことを知って少なからずショックを受けました。でもなんというか・・日本人の僕には身近に感じることができなくて、何もしてあげられなくてゴメンなさいという感じ。
そういう意味ではアメリカ人は是非この映画を観て考えて欲しいですね。
ただ説教臭い映画にならないようにエンターテイメント性を持たせてクライム・サスペンス映画の形式をとってるけど、何しろ監督の目的はそこではないので最上のサスペンス映画を期待して観るとちょっと肩透かしを食らうかも。僕みたいに。

2018年8月16日(木)鑑賞

21位
ヘレディタリー/継承

監督:マーク・フォースター
出演:アリ・アスター/トニ・コレット/ミリー・シャピロ

続編あるいはスピンオフに期待・・

正直に告白すると、映画を観る前からレビューの内容を大体決めてることがあります。タイトルとか予告編だけで決め打ちで。この映画も実は大筋を決めてました。
「呪怨レベル」とか
「昨日観たのにまだ怖い」
などとその怖さを絶賛しているtwitterやレビューをたくさん見たので、骨子としては
「観なきゃよかった。とはいえ観て損したとかそういうことじゃなくて、あの恐怖が忘れられず夜も眠れないくらいだから観てしまったことを後悔してる次第。そうなっても構わない人は是非どうぞ」
という流れにしようと。

・・が、どうもそんな感じではなかった。ハードルを上げすぎてしまったか・・・。ま、怖いといえば怖いけれども、忘れられないってほどじゃない。家に帰ってきて録画したゴッドタンを観て爆笑したらすっかり恐怖はどっかに吹き飛びました。
夜もぐっすり眠れそう。夜どころか鑑賞中ですらちょっと寝ちゃいました。
でも続編やスピンオフは期待できそう。フォローじゃなくて本当にそう思います。

2018年12月1日(土)鑑賞

22位
プーと大人になった僕


監督:マーク・フォースター
出演:ユアン・マクレガー/ヘイリー・アトウェル/ブロンテ・カーマイケル

赤い風船ってやっぱりなんか意味があるんでしょうね・・

くまのプーさんの「その後」を描いた作品だけど、なんせ「その前」を知らない。ディズニーランドでも長時間並ぶアトラクションが多い中で、「プーさんのハニーハント」は待ち時間が妙に短かった程度の記憶しかない。それでもハニーハントには並ばなかったくらいに、申し訳ないけどプーさんにとんと興味がなかった。

当然の成り行きとしてこの映画も観るつもりもなかったんだけど、ユアン・マクレガーがこの映画のプロモーションでついに初来日を果たし、テレビから流れるインタビューを連日見ているうちに、催眠術にでもかかったのか映画館へ向かってしまいました。
ということで、プーさんのビジュアルしか知らない状態で鑑賞。衝撃だったのはその唯一の情報であるプーさんのビジュアル。このくまのぬいぐるみがプーさんなの?なんか違和感が・・。漫画がアニメ化された時の声優の声を初めて聞いた時の違和感に近い感覚。
どこかおかしい。このくまはこのくまで可愛らしいには可愛らしいが、プーさんではない。
この違和感はどこから・・・。鑑賞中ずっと、こんなはずじゃない、何かがおかしいという思いが頭の中をぐるぐる回ってました。

鑑賞後パンフを読んで違和感解消。違和感の正体は眉毛でした。
くまのプーさんといえば、あのすっとぼけた眉毛がトレードマーク。全身毛むくじゃらなのに眉毛があるくま。それこそプーさん。これがこの映画のプーさんにはない。なもんでタダの可愛いくまのぬいぐるみと化してしまいました。なぜ眉毛を取ったんでしょうね。リアリティに徹した監督が動物に眉毛はおかしいだろと主張したんでしょうか。
パンフに掲載されているグッズ広告のプーさんは全て眉毛アリなのに・・。プーさんに思い入れのない僕ですら感じる違和感。くまプーファンの反応は推して知るべし。
ま、その程度の感想しか残らなかったけど、終盤でほろっときたのは案外良い作品だったのか、単に加齢による涙腺の緩みか・・。おそらく後者でしょう。

2018年9月23日(日)鑑賞

23位
未来のミライ


監督:細田守
出演:上白石萌歌/黒木華/星野源

自転車に乗れるようになるのは、親なら感動モンなんでしょう

最近ゾゾタウンの前澤社長が世間で叩かれてますが、その根底にあるのは基本的には嫉妬ですよね。女優と付き合ってる、たくさんお金を持ってる、豪邸に住んでる・・こういうことが羨ましいから何か理由を探して叩こうとする。僕は前澤社長と同世代ということもあり自慢話的なSNSを見ると当然気分は良くない。でもそれを批判してしまうと余計に自分が惨めになるだけなんですよね。なのでこういう場合は
「羨ましいなー」
程度で消化するのが正解なのです。
「未来のミライ」にもそんな感情が芽生えました。建築士の夫、編集者の妻、横浜のおしゃれな豪邸、2人の子宝。いやあ・・幸せいっぱいで眩しいですなあ・・・。眩しすぎて目を背けたくなるくらい。中でもくんちゃんとミライちゃんは、子宝に恵まれなかった僕には眩しすぎました。子供が成長して、子育てで親も成長するという映画の骨子。僕らが欲しくても手に入らなかったもの。「くんちゃんは私の宝」というセリフがあったけど、確かにそうなんでしょう。
でもそのセリフは僕にとっては前澤社長が自家用ジェットを買ったことをインスタで報告しているのと大して変わらなかった・・・。
まあ最初に書いた通り、人の幸せにケチをつけるとそれは嫉妬でしかないので批判はやめて「羨ましいなー」ってことで消化しました。
2018年8月4日(土)鑑賞

24位
MEG ザ・モンスター


監督:ジョン・タートルトーブ
出演:ジェイソン・ステイサム/リー・ビンビン/レイン・ウィルソン

サイズオーバーな人喰いザメ

Ron Mueckという彫刻家の、「人間」を超リアルに再現した作品は、その作品の巨大さが特徴的。作品によっては身長5mくらいある。これらの作品を知った時「縮尺を変える」ということ自体がアートだったりするんだなと新しい発見をした気分になりました。モノには適切なサイズというものがあって、そこから逸脱すると違和感だったり、芸術性だったりというものが現れてくる。
「モノには適切なサイズがある」という当たり前のことを気づかせてくれました。
MEGザ・モンスターのメガロドンはその気づきを思い起こさせました。人喰いザメにも適切なサイズってもんがあって、それはおそらくJAWSのホホジロザメなんだろうと。7-8mってところでしょうか。悪趣味かもしれないけど、人喰いザメの「適切」とはいかに人間を残酷に食べるかってことじゃないですか。それがこれくらいのサイズだと絶妙。人間が喰われる時に血が飛び散って、骨が砕けて、下半身を食いちぎられるといった実に残虐なシーンが繰り広げられます。
痛い痛いきゃー助けてー!!
そこのところが、このメガロドンはデカすぎ(23m)で、どーもピンとこない。当然人も喰らうんだけど、デカすぎるもんだから一口でパクっと丸飲みです。せっかくあんなに凶暴な歯が5列もあるのに一切噛まない!もったいない。まるでコイの餌やりだ。血も出なきゃ、骨も砕けない。
これもひとえにメガロドンがデカすぎるせいだ。あるいはメガロドンにとって人間が小さすぎるのか。ダイオウイカとかシャチとかと戦ったらもっと面白かったんじゃないか。映画のコンセプトが変わっちゃうけど。ということで半年近く期待し続けた割にはガッカリな映画でした。
その他、中途半端な恋物語、降って湧いた親父の懺悔、思わせぶりな元妻、女性活躍や多国籍のダイバーシティ、ジェイソン・ステイサムの筋肉サービスカット・・・全部不要。そんなんどーでもいいので、もっともっとサメの恐怖をください。

ただ、フォローするわけじゃないけど、サメ映画の醍醐味の一つであるサメの退治法は意外で最高でした。
これ、続編も作れると思うので、次に期待したいと思います。
大のサメ好きより。
2018年9月9日(日)鑑賞


いかがでしたか?2018年下期は結局24作品でした。2018年通期では53作品。ほぼ週一ペース!毎週のように映画館に通い始めて気付いたことはコメディ、ホラー、アクション、ジャンルを問わず映画というものは映画館で観るべきってことです!
みなさんも是非映画館へ足を運んで、オススメの映画をCHANNELCINEMA.COMで投票して下さい!

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