お一人様も大人様も仏様も楽しめる!クリスマス映画ランキング ベスト10!

最近はクリスマスよりもハロウィンの方が盛り上がってるような気もするけど、クリスマスはやっぱりビッグイベントです。日本だとクリスマスは恋人と過ごす日、あるいは子供がサンタクローすからプレゼントをもらえる日という位置付けだけども、シングルだって大人だって仏教徒だってクリスマスを楽しんでしまおうじゃないですか。
ということで、いろんな境遇の人が楽しめるクリスマス映画10作品を集めてみました!

10位
 パッション


監督:メル・ギブソン
出演:ジム・カヴィーゼル/マヤ・モルゲンステルン/モニカ・ベルッチ

誕生日だけでなく命日も

言うまでもなくクリスマスはイエス・キリストの誕生日。キリスト教徒でもないのにクリスマスを祝うのはおかしいなんて野暮なことは言わないけども、せめてそのキリストの最期がどのようなものだったかくらいは知っておきたいもの。
ま、厳密にはキリストは磔刑に処された後、復活しているので最期ではないのかもしれないけど。
この映画は、ユダの裏切りから磔刑を経て、キリストが復活するまでを描いています。全編キリストが話したであろうアラム語とラテン語というこだわりよう。

漫画を映画化した作品のように、背景をある程度知っていないと全く楽しめないと思います。
背景を知らないと、主人公が突然とらわれて死刑になるだけなので何のことだかさっぱりわからないでしょう。なぜ死刑になるのとか、この人達は誰?みたいなことは基本的にこの映画を観ようとする人なら全部知っているべき常識なのです。

最後の晩餐、ゲッセマネの祈り、エッケホモ、ペテロの嘘、ヴィアドロローサ、磔刑、復活このあたりの流れをサラッと知ってから観るといいでしょう。
もちろん、全くロマンチックでもないし、心が温まるわけでもないです。
むしろ残酷なシーンの連続なので気分が悪くなることでしょう。恋人と観たら気まずい雰囲気になってしまうかも・・・。
ま、9位以上はもう少しクリスマスっぽい作品を紹介してますので、ここで止めずに是非ランキングの続きを読んでください!

9位
バッドサンタ


監督:テリー・ツワイゴフ
出演:ビリー・ボブ・ソーントン/トニー・コックス/ローレン・グレアム

はたして立場は人を育てるか?

結論からするとデマだったようだけども、フランスではドラえもんは放送禁止だと聞きました。
その理由はドラえもんがのび太くんを甘やかしすぎだから、教育上よろしくないと教育委員会が禁じたのだとか。
夢や希望、友情といった幼少期に学ぶべきことのほとんどをドラえもんに教えられてきたと言っても過言ではない日本人からしたら何をバカなことを・・というしかないけど、確かにエピソード単位で考えるとドラえもんが甘すぎるところもある。リアルにドラえもんがそばにいたら自分で頑張ろうという気は起こらないような気もする。

でもそれを言ったらサンタクロースも似たりよったりかと。
12月25日はイエス・キリストくんのお誕生日なのに、世の子供達はこぞってサンタにプレゼントをねだる。
イエス・キリストくんと知り合いでもないのにプレゼントを貰おうだなんて虫が良すぎるんじゃないだろうか。
ニンテンドーDSが欲しい!ってお手紙を書いて靴下をぶら下げるだけでDSが手に入ってしまう。
四次元ポケットとなんら変わらないお手軽さ。
世の中そんなに甘くない。現実世界ではドラえもんもサンタクロースも助けてくれない。

ということで、極悪非道でリアルなサンタクロースをビリー・ボブ・ソーントンが演じている映画です。
ロクデナシが更正して良い行いをする映画はごまんとあって、この映画もタイトルからしてそのパターンだろうと当たりをつけていたんだけど、
ロクデナシの時間帯が長くて、あれ?もしかしてこのままやっぱりロクデナシはロクデナシで終わるという斬新なパターンか?という不安がよぎります。
で、結末はどうなのかは観てからのお楽しみということで。
10位のパッションに引き続き、全くロマンチックじゃないです。エロもグロもあるので、家族や付き合って日が浅い恋人と観るのはやめておきましょう。
素直じゃなくてスミマセン。8位以上の映画はもう少しロマンチックにしていきます。
念のため改めて書きますが、ドラえもんがフランスで放送禁止だというのはデマです。

8位
サンタクローズ


監督:ジョン・パスキン
出演:ティム・アレン/ジャッジ・ラインホルド/ウェンディ・クルーソン

職業選択の自由あははん

平和ボケした僕たちは、職業の選択の自由などという当たり前のことがなぜ憲法で定められているのかイマイチピンとこない。
その昔、日本は身分や性別によって職業が自由に選べない時代があった。侍の子は侍、百姓の子は百姓というように。
多かれ少なかれ今も不公平な状況はあるものの、そういう時代と比べれば今はなんて自由な世の中だろうか。
野球選手だろうが医者だろうが、誰でも自由に目指せるのです。もちろんなれるかどうかは別の話だけど。

この映画を見ながらふとそういうことが頭をよぎりました。
子供に人気の職業は男の子だとスポーツ選手や警察官、女の子だとケーキ屋や芸能人なんだそうだが、
そういう人気の職業に就きたくない人は山ほどいるでしょう。
神様が突然目の前に現れて
「君は良い子だから、野球選手にしてあげよう」
と魔法をかけてくれても、とんだお節介だと迷惑に感じる子供はいっぱいいるはず。神様、それは職業選択の自由を侵害してますから勘弁してくださいと。

ま、平たく言うとそういう映画でした。
確かにサンタクロースは人気者でしょう。だからと言ってサンタクロースになりたい人はごくわずかなんじゃないだろうか。
Claus(クローズ)というのは契約あるいは約款という意味で、サンタクローズ=サンタ契約を半ば詐欺的な感じで締結させられた主人公は強制的にサンタの道を歩むことになります。
自分だったらすっごくヤダって思ったけど、契約を結ぶとどうやら身も心もサンタに染まるようで、主人公はほどなくしてまんざらでもなくなってしまうという・・・。
ということで、人権とは何か、憲法とは何かという人間の根源を描いた骨太な社会派作品です(そんなわけない)

7位
 クリスマス・ストーリー


監督:アルノー・デプレシャン
出演:カトリーヌ・ドヌーヴ/ジャン=ポール・ルシヨン/マチュー・アマルリック

いわゆるそういう映画ではない

オススメというか注意喚起の意味合いも込めてのランクイン。いかにもクリスマスのほっこり感動モノを期待させる邦題は意訳のしすぎか、商業的な理由によるネーミングのどちらかで、おそらく原題はこんなタイトルじゃないんだろうと思いきや、フランス語の原題はUN CONTE DE NOEL。直訳するとクリスマス物語。
うむ・・邦題に嘘偽りなしか。
でも、全然違うんすよ。少なくとも僕が想像する「クリスマス・ストーリー」という映画じゃない。
いわゆる典型的なフランス映画で、ダラダラと長くてズバリ退屈。
この映画を観たほとんどの人がそう感じると思います。
「150分があっという間に感じるくらいにグイグイ引き込まれた」などと絶賛しているレビューの大半はただの強がりと思われます。
なので、クリスマス・ストーリーのタイトルで今あなたが思い描いた映画じゃないですよ、注意してくださいねという気持ちを込めての紹介です。

・・が、だからと言って駄作と切り捨ててしまうのもどうか。
150分という長い時間をかけてたっぷり修行させられるだけあって強烈なインパクトが残る。
これがフランスの一般的な家族像なのか分からないけど、家族が相手でもまず自分が一番という軸がブレないし、家族のことも自分とは違う一人の人間として対峙する。
母親をファーストネームで呼んだり、母親は母親で息子のことを面と向かって嫌いって言い放つし。悪気もなく、冷静にさらっと。
家族の愛情は確かにあるんだけど、非常に個を大事にしてお互いに甘えない姿、家族一人一人が自分に素直に生きていて、それは家族にも邪魔させないというか・・・。
結局自分が輝くことが配偶者や親、子供にとっても幸せであると考えている人が集まった家族が理想的な家族なのかもなんてことを考えさせられました。
全然綺麗にまとまらないけど、観た人によって感じることはそれぞれ違いこそすれ、確実に何かを感じる作品だろうと思います。
面白いかつまらないかでいうとつまらない。でもイイか悪いかでいうとイイ!ってことになろうかと。

6位
戦場のメリークリスマス


監督:大島渚
出演:デヴィッド・ボウイ/坂本龍一/ビートたけし

クリスマスはクリスチャン限定イベント

メリークリスマス!実に平和な響きです。
メリーという単語は形容詞なのか動詞なのかすらよくわからないけど、クリスマスかゴーランドの前にしか使わないワードなんじゃないだろうか。ともかくかなりピースフル。
そんなピースフルなワードと戦場などという血なまぐさいワードの組み合わせの妙。

舞台は南国ジャワ島にある大日本帝国軍の俘虜収容所。
この舞台設定もやはりメリーやクリスマスと相性が良いとは思えない。
演じるのは坂本龍一、デヴィッド・ボウイ、ビートたけし。
彼らとメリーやクリスマスとの相性はよくわからんけど、ミュージシャンや芸人が戦場と相性がいいとはとても思えない。
坂本龍一にいたっては濃いめのメイクして戦場にいる緊張感が全くないし。
こういうミスマッチからくるケツの座りの悪い感覚が終始漂ってる映画です。

名作と賞賛されてる映画だけど、残念ながら大島渚監督のメッセージを正しく受け止められたとは到底思えない。
それでも敢えて恥をさらして僕の解釈を端的に表すならこうです。
「南国の戦場にもクリスマスの奇跡はやってくる。ただしクリスチャン限定」
この解釈を疑う人はどうぞ映画を観て正しい解釈を確認してくださいませ。

5位
東京ゴッドファーザーズ


監督:今敏
出演:江守徹/梅垣義明/岡本綾

This is 東京

どんなにそのアニメの写実性が高くても、絵が実写を超えるわけはないとは思うのだけど、
アニメはときどき実写ではなかなか感じることのない視覚以外の五感を刺激してくるのが面白い。
新宿には思い出がいっぱい詰まってるし、いつもホームレスが寝ている地下街が通学路だったという個人的な記憶のせいもあるだろうけど、
東京が持つ独特の雰囲気がひしひしと伝わってきたなあ。
雪が降る新宿中央公園の冷え込んだピリッとした空気とか、ホームレスの悪臭がテレビの液晶画面から溢れ出てきた。
これは僕の知ってる東京だ・・・。

ただこれだけリアルに東京を再現するとデフォルメされてる部分が気になるときもある。
勝鬨橋から聖路加タワーを見つけるシーンは、勝鬨橋を渡る対岸のあの位置には聖路加タワーは見えないのでは??
もしかしてあのビルは聖路加タワーじゃないのか?
などというストーリーに全く関係ないところが気になってしまった。
東京で営業をしていた頃、あの辺りを毎日歩いていたのでよく覚えています。
当時は営業がしんどかったなあ。振り返ると良い思い出だけど。

確実にあなたをクリスマスシーズンの東京に連れて行ってくれる作品です。
想像されているようなクリスマスシーズンの東京かどうか分かりませんが。

4位
 グレムリン


監督:ジョー・ダンテ
出演:ザック・ギャリガン/フィービー・ケイツ/ホイト・アクストン

ナイトメア・イン・クリスマス

殺人事件の犯人の知人がインタビューされて
「毎朝笑顔で挨拶してくれる優しい感じの人だったのに」
というようなことを話すのをテレビで見たことがあるけど、普段からあからさまに凶暴な人という人は稀で、
むしろ普段は虫も殺さないような人が突然暴走することの方が多いのかもしれない。
私はそんなことない!とうそぶく人もいるだろうけど、多かれ少なかれ人はみな残虐性を秘めている。
ぬいぐるみのように可愛らしいモグワイが、たわいもないことで凶暴な小悪魔グレムリンに変貌してしまうのは人間を誇張した姿なんじゃないだろうか。
グレムリンが街中で暴れまわる姿に「もっとやれ」と思った人は少なくないだろうし、イジワルババアを吹っ飛ばすシーンではほとんどの人は爆笑するでしょう。元来人間は残酷な生き物なんだもの。
主人公のママだって、クリスマスのクッキーを準備して絵に描いたような平和のど真ん中にいたのに、包丁片手にバッタバッタとグレムリンをぶっ殺すじゃないですか。

もう一つの人間の悲しい性は見た目で判断してしまうってこと。
仮にキッチンで大暴れしていたのがギズモだったら、ママは電子レンジやミキサーでギズモを殺っちまったでしょうか。
「こら!ギズモ!ダメでしょ!」
てな具合でお尻ぺんぺんでお仕置きして終わりだったんじゃないでしょうか。

ダメ押しでもう一つ。人は無責任である。
主人公のお父さん。この悪夢の引き金を引いておきながら終始お気楽モード。事態が沈静化してから
「なんかあったんか?大変だったね。」
という無責任ぶり。

この映画は、これらの人間の罪をイエス・キリストが一身に背負ってくれたことをクリスマスに感謝しましょうというスピルバーグからのメッセージなのです。

3位
ナイトメアー・ビフォア・クリスマス


監督:ヘンリー・セリック
出演:クリス・サランドン/キャサリン・オハラ/ウィリアム・ヒッキー

「カワイイ」しか浮かばない

「カワイイ」という形容詞の適用範囲が急速に広がったのは90年代に入ってからだと思う。少なくとも僕が小学生だった80年代は「カワイイ」は女の子やその周辺のものに適用される言葉だったはず。
大人の女性を「カワイイ」と形容することですらまれというか、場合によっては失礼に値したような気がする。
それが徐々に大人の女性はもちろんのこと、男性アイドルにも「カワイイ」が使われるようになっていった。
それでもまだ嵐のニノを「カワイイ」と表現するのは理解できたけど、さすがに温水洋一までが「カワイイ」の対象になったのは驚き以外の何物でもない。

昔、旅行先のアンコールワットで日本語を話す現地ガイドに
「日本人はなにを見てもカワイイって言うね」
と言われて、日本人のボキャブラリーの少なさを指摘されたようでちょっと恥ずかしくなったけど、
その後の観光でアンコールワットの石の彫像に「カワイイ」を連発している自分たちに気がついて自己嫌悪に陥ったことがあった。
ということで残念ながらこの映画の感想も「カワイイ」以外の言葉が浮かんでこない。
でもそれはおそらく日本人だけでなく、世界中の人がそう思ってるはず。
自分の脳みそをボリボリ掻くマッドサイエンティストやつぎはぎだらけの人造人間を「カワイイ」と思わせるなんてさすがティム・バートン。

2位
go


監督:ダグ・リーマン
出演:サラ・ポーリー/ケイティ・ホームズ/ウィリアム・フィクトナー

わかものはばかもの

クリスマスシーズンの若者たちが繰り広げるドタバタ劇です。テンポも良いしパズルがはまっていく感覚も気持ち良い。

若者は向こう見ずでイイよねえと腕組みしてウンウンと頷いてからふと思った。自分が彼らくらいの頃にこんなに向こう見ずだっただろうかと。もっと臆病で小さくまとまってたなあ。よく言えばもっとよく考えて行動していたというか。

もうちょっと後先考えずに突っ走ってたらもっと青春楽しめたかななんてちょっと悲しくもなった一方で、いやいやいくつになっても向こう見ずに突っ走ったらいいじゃんと元気ももらいました。

ま、もちろん映画ですからね。実際に同じことしたら刑務所入ったり、場合によったら命落とすこともあるのでそこは考えて行動しなきゃいかんけど。
あ・・早速小さくまとまっちゃってるなこりゃ・・・。

1位
素晴らしき哉、人生!


監督:フランク・キャプラ
出演:ジェームズ・スチュアート/ドナ・リード/ライオネル・バリモア

生きてるだけでまるもうけ

「生きてるだけでまるもうけ」とは明石家さんまさんの名言。なんでも娘さんのIMALUという名前はそこからとったとか。
理屈では分かっていてもついつい忘れがちなこと。生きてることが当たり前と思ってしまい、ありがたみを忘れてしまいがちです。
壁にぶち当たった時や辛いことがあった時、死んでしまいたいとすら思うこともあるかもしれない。
そんな時はこのさんまさんの名言を思い出して、辛いと感じることですらラッキーなのだと再認識すると良い。
「まるもうけ」という表現に、銭勘定にうるさい大阪芸人(さんまさんは奈良出身だけど)のお笑い感があるけど、
実に人生の本質を捉えた良い言葉だと思います。

この言葉の「まるもうけ」の部分をお上品に表現したのがこの映画です。生きてるだけですでにクリスマスプレゼントを毎日もらってるようなものじゃないかと教えてくれます。
1946年製作の古い白黒映画で、序盤は退屈と感じることもあるかもしれないけど、最後には必ず満足できます。名作と言われるだけのことはあります。
ちなみに大竹しのぶさんは、IMALUは「今をいきる」から来ているとおっしゃてるそうです。「今をいきる」はロビン・ウィリアムズ主演の名作映画のタイトルでもあります。いずれにしても素敵な由来ですね。


いかがでしたか?ちょっとひねくれたクリスマス映画ランキングですが、1位は王道で締めました!
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